【スポーツスター カスタムファイル】“走る楽しさ”を追求した硬派な一台
もともとはチョッパー風に仕上げて“ゆるい感じ”で乗りたいと、すでにこのカラーに塗り直されていた、2003年モデルの「XL883R」の中古車を手に入れたオーナーだったが、まずは手始めにとエンジンの排気量を1200ccに拡大し、昔からの定番品、サンダンス×ケイヒンFCRキャブレターを投入。すると「あなどれないぐらい速く」なり、“スポーツスターをカスタムする楽しさ”に目覚めてしまった。そこで、これはチョッパーじゃないなと感じて最初のコンセプトから路線変更。以来、スポーティな走りがさらに楽しめるよう現在もカスタムし続けている。
購入した当初はローダウンされクラシックタイヤを履いていたというが、現在はナイトロン製リアショックにスポーツタイプのタイヤ(ダンロップK300GP)、さらにはミスミエンジニアリング製のパーツでブレーキの強化とチェーンドライブ化を実現。次なるカスタム計画は、「ホイールを変更してフロント19、リア18インチにしてみたい」と、オーナーの興味をそのまま反映しながら、進化し続けていくことは間違いなさそうだ。
フロントフォークは定評あるトラックテック製スプリングに換装、擦れてキズが入りやすい可動部分を保護する狙いと、摩擦を抑えて滑りをよくするべくインナーチューブにはDLCコートを施している。また、ミスミエンジニアリング製のブレーキローターとサポートを使用し、キャリパーをブレンボレーシングに変更している
各部のポテンシャルアップで次第にアグレッシブに走れるようになると、今度はタコメーターがほしいとメーターはモトガジェット製のマルチタイプに。また、以前は低めのハンドルを取り付けていたが、どうしても肩が凝ってしまうと、純正XRバーに形状が近いハンドルに交換。ミリバー化しているため、操作性もすこぶるいい。遠目で見ると単なるブラックだが、近くで見るとフレーク塗装とわかる、ツウ好みなペイントはシェイキンスピードグラフィックスによるものだ
リアショックは350mmのナイトロン製に交換しチェーンドライブ化。サンダンスFCRに合わせてマフラーは同じくサンダンス製のボマーを選んだ。排気量を1200ccに拡大したエンジンは、ハイパワーを追求しているワケじゃないと高圧縮化は避け、ワイセコ製のリバースドーム型ピストンを用いて圧縮比9.5:1に抑えている。結果、走り出した瞬間からトルクが出る刺激的なフィーリングとなった
リアブレーキもミスミエンジニアリング製のサポートを用いてブレンボレーシングをおごった。ローターはブレーキング製のウェーブタイプとし、見た目にもスポーティな印象となっている