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話題の「ナイトスター」って実際どーなん!? 【その2】

空冷エンジンを搭載した従来のスポーツスターの販売が終了し、昨年の期中導入モデルとして登場した「スポーツスターS」。しかし、これまでのモデルとはまったく異なるスタイルに、戸惑ってしまった人も多いかもしれない。そこで往年のディテールを採用し、満を持して登場したのが「ナイトスター」だ。実は『クラブハーレー』編集部には、往年のXR1000やラバーマウントモデルを所有する者がいるほどスポーツスター好きがそろっている。そこで編集部員全員でナイトスターに試乗。“空冷スポーツスター好き”は、このNEWモデルに実際に乗って、どう感じ、どう思ったのか!?

XR1000に乗る編集部アメミヤの場合

リジッドマウントのXLH883を散々いじり倒したあと、1984年モデルのXR1000を購入。4カムの面白さにとことんハマり、XR1000で会社通勤もこなす真性のバイクオタ。マニアックな視点からナイトスターを斬る!?

軽い車体による扱いやすさに感動!!

見た目に反して重量級だった従来のスポーツスターを思えば、250ccのバイクか!? ってぐらい車体が軽い。実際には30kg差だけど数値以上に軽く感じるのは重量バランスのよさによるものだろう。だから取り回しもラクラクできるのだ!!

これは予想していた通りだけど、それでも感動したのが車体の圧倒的な軽さだ。車体を起こすときに「よっこらしょ」しなくていいというのはありがたい。もちろん取り回しも軽々できる。これは、空冷スポーツスターと比べて車重が30kg以上軽くなっただけでなく、重量物である燃料タンクがシート下、エンジンの近くになって重量マスが集中した結果かも。操縦性もよくて狭い路地やUターンでも持て余してしまうことはない。ぶっちゃけ、ジムカーナにも挑戦できそうなほど軽い!!(やらんけど)

狭い路地

◆Uターン

狭い路地の交差点など、イキオイをつけずにゆっくり進むようなとき、従来のモデルは重心が高いせいかグラつくような感じがあったが、低重心のナイトスターにはそんな不安定さは微塵もない。車重も軽いからUターンも不安なくひょいひょいできる。これ、めっちゃ乗りやすいッス!!

扱いやすさを際立たせている“軽さ以外”の要因

◆バツグンの足つき性

そもそもシート高が705mmと圧倒的に低いのだが、シートの横幅がスリムなのでステップに載せた状態から足をスッと下ろしやすいこともメリット。従来の空冷スポーツスターも足つきはよかったが、車体の軽さと重心バランスのよさが加わって、安心感のレベルが違う!!

◆調整可能なレバー

最も遠くした状態

最も近づけた状態

ブレーキ、クラッチともにレバーを5段階の範囲で調整できるのはとてもありがたい。操作に気を使わなくて済むし、レバー形状もイマドキのタイプで握りやすいうえに軽い。だからライディングに集中できるというワケ。そんなの当たり前だろって!? ハーレーのレバーはつい最近まで調整ができなかったばかりか、レバー形状も異常にゴツく、めちゃくちゃ使いにくかった。このレバーだけで乗りやすさは数倍アップです!!

スポーツスター史上、最もカーブが楽しい!!

ホイールがフロント19、リア16インチと従来の空冷スポーツスターと同じサイズになったが、それとは明らかにハンドリングが違う。いうなれば“普通”でもあるんだけど(笑)、細身のタイヤだからこその“軽快感”と、前輪が19インチという大径ならではの“乗ってる感”があって、とっても面白い。大径ホイールだから連続するカーブの切り返しが大変……なんてこともなく超スムーズ。空冷スポーツスターは、まるでリアタイヤに直接乗っているかのような一輪車的乗り味が特徴で、オートバイはまず後輪が傾いてからステアリングに舵角が付いてコーナリングするワケだけど、その挙動がハッキリわかるほど遅くてダルかった。ナイトスターは前後のタイヤがしっかりとグリップしているのがわかって、車体との一体感が強く、ワインディングがめちゃくちゃ楽しいのだ。エンジンも乗る人それぞれの技量に合わせて楽しめる感じで言うことなし!!

◆ステップをほとんど擦らない!!

ミッドコントロールタイプのステップを採用するナイトスターだが、驚くことにワインディングでもほとんどステップを擦ることはない。なぜ擦らないかといえば、先にブーツのつま先を擦るほど車体の内側に追い込まれているから。そのため慣れていないとギヤチェンジを失敗しやすいのだが、ペダルにしっかり足をかけるようにしてシフトチェンジするとミスを防げるぞ

ハンドルが遠いと感じるなら“前座り”!!

絞り角が浅く、どちらかといえばドラッグバーに近い形状のハンドルなので、何も考えずに普通に乗ると腕が伸び切ってしまい、ハンドルを押さえつけやすい。そのため山道を走る際は、なるべくシートの前方に座って腕に余裕をもたせると、ステアリングの動きを腕で抑制してしまうことを防げるぞ

普通に座ると腕が伸び切ってしまいがち

シートの前寄りに座ると腕にゆとりをもたせやすい

排気量が小さいのに普通に速い!!

排気量をスポーツスターSより277cc小さくしたエンジンだが、パワー不足はまったく感じない。さすがにSほどではないけれど、空冷スポーツスターに比べれば、ナイトスターも十分すぎるほどに速い。それも暴力的に速いのではなく、節度をもった速さで扱いにくさもまったくなし。また、選べる走行モードは3種類とSより少ないが、メカを使いこなすことが苦手な自分的には、むしろこれぐらいが分かりやすく、使いやすいと感じたほどだ。

スポーツモード

レインモード

ロードモード

XL883改1200に乗る編集部ヌマオの場合

以前はFXRに乗っていたが、まったく愛車をいたわらないズボラな性格のため、ノーメンテにつき故障が続発し挫折。“ラクに乗り倒せるハーレーを”と、破格の値段でラバーマウントのXL883を購入。エンジンもボアアップ済みだと鼻の穴を膨らませる、精神的痛覚のない男

乗り慣れたミッドコンドロールがいい!!

普段からミッドコントロールに慣れているからか、ポジションがしっくりくる感じ。ソフテイルなどに多い、“ミッドなのにちょっと前”ではなく、しっかりとミッドなので、連続するカーブを走るときなども、しっかり踏ん張れる感じがします。シート高が低いのと、バンクしやすいようにステップ位置が少し上にあるからなのか、ややヒザの曲がりがきつい(※編集部訳・私の足が長すぎてキツい)けれど、気にならない程度。とにかく自然な感じで走れました。

スポスタ買う買う詐欺、編集部タカタの場合

姉妹誌『ライダースクラブ』に長く在籍していた関係で、スポーツ性能にもこだわる男。「やっぱりスポーツスターだよな~」という独り言をたまに発しているが、絶対買わないだろうと周囲には思われている。

正立フォークがシンプルで好み!!

シンプルな構成のフロントまわりに“スポスタらしさ”を感じて好印象! やっぱりナローなスタイルがスポーツスターの真骨頂でしょ!? しかも見た目の雰囲気だけじゃなく、性能がアップデートしている点も見逃せない。SHOWA製の正立フロントフォークは路面追従性が高く、試乗中にギャップを越えたときも、挙動を乱すことなくショックを吸収。信頼できる足まわりのおかげで、ピュアに走りが楽しめた!

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