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【H-Dカフェレーサー ファイル】#3 本物以上の性能が与えられた、究極のXLCRレプリカ

スポーツスター カフェレーサー XLCR

クリップオンハンドルにシングルシート。そんなカフェレーサースタイルのカスタムを好む人は多いが、スポーティな国産車やヨーロッパ車をベースにするのではなく、アメリカ大陸という特異な環境に合わせて進化してきたクルーザーであるハーレーダビッドソンをわざわざ選び、カスタムして作りあげようなんて考える輩は、カフェレーサー好きの中でも明らかにクセ強めといえるだろう。そんな好きモノたちが、あくなき探求心とこだわりで製作したカフェレーサーにスポットを当てていくのが、この企画である。今回はH-Dカフェレーサーの中でも正統派といえる“XLCR”スタイルに迫っていこう。

#3 本物以上の性能が与えられた、究極のXLCRレプリカ

前後足まわりが見直されていることはもちろん、超軽量に仕上げられたオリジナルの外装キットによってスポーティなハンドリングを実現。本家XLCRとの違いは圧倒的で、押し歩きだけでハッキリとその違いが体感できるほどバランスよく仕上げられている

1970年代に流行したカフェレーサーのスタイルを採り入れ、ハーレーダビッドソンが1977年にリリースしたのが“XLCR”だ。当時としてはもちろん、現行ラインアップにはない秀逸なデザインは他社にも影響を与えたほか、登場から40年以上が経過したいま見ても新鮮で、「乗ってみたい」といまだ多くの人が思うようだ。しかし、実際に乗ってみると、その期待は大きく裏切られてしまう。

「XLCRは、見た目とかけ離れた性能のバイクなんですよ。とても重い車体ゆえに、寝ない、曲がらない、起きてこない……。だからこそ、“本当に安全に、そして楽しく走れるXLCR”を製作したんです」

そう語るのは「サンダンス エンタープライズ」代表の柴﨑“ZAK”武彦さんだ。2000年モデルの“XL1200Sスポーツスター1200スポーツ”をベースに、誰もが“安全に”乗りこなせるキャラクターに仕上げている。

しかし、最大のポイントは取り付けられた外装部品の、造形の忠実さだ。例えば、海外で流通しているレプリカキットを使っても、ここまで本物に肉薄した自然なシルエットにはならず、本家XLCRとは大きくかけ離れた印象になる。

「実はXLCRは生産工場などの関係で、3種類の“型”が存在します。ウチの製品はその3種類の、ちょうど中間のフォルムを目指して製作しています。また、タンクはアルミ製、シートカウルやビキニカウルはカーボン製ですから強靭なうえに非常に軽く仕上がっています」

フロントに装着されたサンダンスオリジナルのビキニカウル。非常に重い純正とは異なり、カーボン製としたほかモノコック構造を採用して高い強度も確保している。そこに合わせるヘッドライトも軽量なモノを使用
サンダンスオリジナルのアルミ製の叩き出しタンク。本物のXLCRと同様、エンジンに深くかぶさるように低くマウントできるため、シートカウルまでまっすぐなカフェレーサー的シルエットを実現する
裏側にボックス形状の補強を施すことで、非常に軽量ながら強度も確保したオリジナルシートカウル。写真のようなルーカスタイプのほか、純正テールランプの装着も可能だ
ホイールは現在人気を博しているサンダンス/エンケイの7スポークに似ているが、それをリリースする以前に販売していたサンダンス/PVMのマグホイールで前後18インチ仕様を装着。H-Dファクトリーチームにも供給したという実績あるホイールだ
XLCRの特徴ともいえる部分が“サイアミーズ”と呼ばれる左右振り分け式のマフラーだ。これは当時の純正形状を克明に再現しつつもパイプ径を48.6mmと太くし、性能向上を実現するサンダンスオリジナルの“XEXパイプ”
サンダンスのオリジナルXEXパイプはノーマルのサイレンサーが装着可能。また、オプションでレース用も選択できる。左右2本出しのルックスはまさに1970年代のスポーツスターそのものだ

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