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ハーレーは90年以上も見た目が変わってない!?

ハーレー 変わらない デザイン

1936年から搭載され続けている“OHV方式のVツインエンジン”。これこそがハーレーがハーレーたる由縁ともいえる、重要なアイデンティティとなっているのはご存じの通りだろう。しかし、それと同じぐらい見た目も長きに渡って変わっていないことは意外にも知られていない事実だ。そこで、あらためてハーレーのデザインを紐解いてみよう。

レトロ風ではなく、本当に旧いデザイン

ここ数年、バイクはもちろんクルマも「ネオクラシック」と呼ばれるジャンルの人気高く、各メーカーが原点回帰といえるレトロなデザインのモデルを数多く市場に投入していることはご存じだろう。ハーレーの特徴のひとつに「レトロなデザイン」が挙げられるが、これは他メーカーに見られるような“見た目だけを真似たもの”ではない。本当に昔から変わっていないのである。下記に紹介する2機種はラインアップの中でも、往年のモデルをモチーフとしているので特に似ているのだが、ハーレーは他のモデルにも共通部品を使用することが多いため、この2機種だけが特別クラシックなディテールを採用しているワケではない。いわば、これが“ベーシックなデザイン”となっているのだ。

1960年代のツアラーの雰囲気を復活させた「ロードキング」

名前の通りに「キング・オブ・ザ・ハイウェイ」を謳った1960年代のハーレーをイメージしたモデル。ホイールサイズは前後16インチから最新モデルでは前後18インチへと大径化しているものの、下のモデルと比較するとわかる通り、シルエットやデザインは当時から大きく変わっていないことがわかるだろう

1965年モデルのツアラー「FLHエレクトラグライド」

1950年代のハーレーのスタイルを復刻した「ヘリテイジ クラシック」

1984年に誕生した「ソフテイル フレーム」の特徴を生かし、まだリアショックが装備されていなかった時代のハーレーのスタイルを再現して誕生したモデル。基本となるシルエットはまったく変わっていないことがわかる

▼1950年モデルのハーレー「ELハイドラグライド」

中央にスピードメーターを配したタンク、そして前後のディープフェンダーというハーレーらしさを感じさせるデザインは、実は現在から90年以上も前の1930年に完成したもの。これはこの2機種のみに与えられたモノではなく、ハーレーのベーシックな外装パーツとして1930年以降、途切れることなくずっと親しまれてきたものだ。さらにそのルーツを遡ると、1910~1920年代の外装パーツが進化してこのカタチへと辿り着いたものであり、以降デザインを大きく変えることなく現代へと紡いできた。いわば時代を先どった先進的デザインだったというワケだ。

1930年代に完成したタンクとフェンダーのデザイン

さて、ここでは“デザインがどれほど変わっていないのか”を1930年代と現代のハーレーとで比較し、検証してみよう。注目は古臭さをまったく感じさせないその造形だ。

【フロントフェンダー】1930年代(上)/現代(下)

1910~1920年代は自転車のようなフェンダーを採用していたが、当時はほとんどの道路が未舗装だったため、前輪が撥ね上げる砂利からボディやエンジンを守るために写真のような深く大きなフェンダーへと進化した。1930年代は当時の流行もあってアールデコ調デザインを採用していたが、現代のハーレーは直線的なカットラインへと進化。とはいえ、デザインの根幹は変わっていないといえるだろう。

【ガソリンタンク】1930年代(上)/現代(下)

燃費が良かったサイドバルブエンジン時代はタンク内部をふたつに区切り、それぞれにガソリンとエンジンオイルを入れていたが、パワフルなOHVエンジンとなったこと、そしてより長距離を走るには多くのガソリンが必要となったため、エンジンオイル用に別のタンクをシート下に配置し、ガソリンのみのタンクとした通称「ファットボブ」タンクが誕生。セパレート式となっているのは、当初片側は予備タンクとして機能していたため。現在は一見セパレート風だが左右一体式のワンピースタンクを採用している(左側のタンクキャップはダミー)。

【リアフェンダー】1930年代(上)/現代(下)

フロントフェンダーと同じく、撥ね上げられる砂利から車体とエンジンを守る目的でリアフェンダーも大型化。当時はパンクが多かったのか、整備しやすいように後部のみを撥ね上げられるようヒンジが設けられていた。現在は省略されている。

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