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ハ―レー乗りの定番、ライダースジャケットの基礎知識 その5

ハーレー乗りにとって最も定番的なウエア、ライダースジャケット。今回は革の質感を決める“なめし”という加工工程を解説していく。

革の質感はなめしで決まる。

「皮」はあくまで動物の皮膚のことで、ライダースなどに使われている「革」とは似て非なるもの。皮を革にするためには、「なめし」という工程が必要となる。皮は表皮、毛、真皮、皮下組織で構成されているが、このなかで真皮のみを残して他を取り除く。そして腐敗を防ぐために植物由来のタンニンや、金属由来のなめし剤を入れた溶液に漬けて皮を化学変化させ、革に仕上げていく。

革の種類もさることながら、それをどんな方法でなめすのかでジャケットの質感や着心地が違っていくのだ。

主ななめし方法

【ベジタブルタンニンなめし】

ライダースジャケット
なめし
ベジタブルタンニンなめし

植物の樹皮や葉、根などからタンニン成分を取り、それを溶液で溶かした浴槽に皮を浸すことでなめす方法。作業工程が多いため広大な設備が必要で、時間と手間もかかるが、使い込むほどに艶や風合いが出る。摩耗に強く堅牢で伸びにくく、弾力性が少ないのも特徴

ベジタブルタンニンなめしの革の見分け方

1.革の表面をこすっても音は鳴らない

ライダースジャケット
なめし
ベジタブルタンニンなめし
音しない

ベジタブルタンニンなめしの革は、こすっても音が鳴らないのですぐに見分けることができる。クロムに比べるとコシが強いのが特徴

2.ジワっと水が染みていく

ライダースジャケット
なめし
ベジタブルタンニンなめし
水を吸う

ベジタブルタンニンレザーの大敵である水は、ジワッと染みていく。シミになる可能性もあるので、これはなるべく避けたいところ

【クロムなめし】

ライダースジャケット
なめし
クロムなめし

金属なめしのひとつで、塩基性硫酸クロムを用いて行う方法。ベジタブルタンニンなめしに比べてスピーディになめしが完了できるという利点をもち、柔軟性、弾力性、耐熱性、染色性などに優れている

クロムなめしの革の見分け方

1.キュッキュという音が鳴る

ライダースジャケット
なめし
クロムなめし
音がする

クロムなめしだとキュッキュと音が鳴るのが特徴である。ベジタブルタンニンなめしに比べると弾力があり、光沢感が強いものが多い

2.水が玉になって弾かれる

ライダースジャケット
なめし
クロムなめし
水弾く

アメリカのタフなライダースは、だいたいクロムなめし。水に対して強いので、使い勝手という意味ではバイク乗りと相性はいい

他にもあるなめし方法

【コンビネーションなめし】

クロムなめしをした後に、さらに植物タンニンによって処理するなど、2種類以上のなめし剤を併用して行う方法。それぞれの欠点を補うことができるなめし方法

【油なめし】

なめしの段階や仕上げの段階で革に大量のオイルを含ませる。タンニン、クロムどちらのなめし方法でもこの仕上げが可能だが、性質はそれぞれの特徴が出る。非常に柔らかくシワが出やすいのが特徴

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