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パワーとトルクの違いがわからん!!

ハーレーの世界では、主にEFIチューニングをはじめ、エンジンのチューンアップ時にその効果を確認するために用いられる「グラフ」。雑誌などでも紹介されることは多く、これを見たことがあるという人も多いハズだ。だが、そのグラフを見てエンジンの特性がいったいどれほど理解できるだろうか? 我々素人はパワーの最高出力だけを見て、「〇〇馬力も出ている!」と判断しがちだが、実はトルクも重要。さらにいえば、グラフの山のカタチや最高出力が出る回転域だって重要である。今回はパワーとトルクの違いはもちろん、そもそもこのグラフをどう見ればいいのかを解説していこう。

そもそもトルクって何だ!?

トルクとは、主に“バイクの加速時”に作用するもの。後輪を回転させようとする“瞬間的なチカラ”のことを指す。つまり、トルクの高いエンジンほど車体を前進させるチカラが強まる(加速が鋭い)ということになる。アクセルを開けた瞬間にしっかりと加速するバイクはトルクが高いということだ。

それじゃあパワーって何!?

パワー(馬力)とは、主に“バイクの最高速”に作用するもの。トルクが瞬間的に後輪を回すチカラであるのに対し、パワーとはそのチカラを持続させるもので、馬力が高いほどに速度が出るということ。トルクが低くとも、エンジンの回転数を多気筒化などで高くすることができれば、馬力は高くなる。

グラフから、バイクの特性がわかる!

これはトルクを赤い線、パワー(馬力)を青い線で示した、“ミルウォーキーエイト107”エンジンを実際に計測した際のグラフ。例えば、速いスポーツバイクは、最高出力が出る回転(青線上にある赤い点)まで引っ張ってシフトアップし、その瞬間に落ちてしまうエンジン回転域に合わせて最大トルクが発揮できるように設計されている。つまり、回転数が落ちてもトルクがあるので瞬時に車体をグイグイと引っ張り、また最高出力へ……と、最高出力と最大トルクを繰り返して走ることができるというワケだ。このときにトルクがないと、加速は鈍いが最高速は出るという性格になる。上のグラフの場合、最高出力が出る4500回転付近でシフトアップすると、すでにトルクが落ち始めていることに気づくだろう。つまり、ミルウォーキーエイト107エンジンを搭載したハーレーの場合、トルクが最も盛り上がるところでシフトアップしようとすれば、自然と3000~3500回転ぐらいに落ち着くだろう。

80馬力と100馬力のバイク、楽しいのはどっち!?

さて、赤い線のバイクと青い線のバイク、どちらもトルクが同じだとしたら、どちらが速いのだろう!? 数値から判断すれば100馬力出ている青線のバイクが圧倒的に速くてパワフルだと思いがちだが、赤線のバイクは最高出力の80馬力を3000回転という低回転で発生させていることに注目。そのとき青線はその半分の40馬力ほどしか出ていない。逆に高回転域では両車は逆転。どちらがいいのかといえば一長一短だが、ことハーレーに関していえば赤線のほうが楽しい乗り味になるだろう

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