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ハーレーの「ドコドコ感」って何なんだ!?

ハーレーの乗り味を表現するとき「ドコドコ感が楽しい」と語られることも多いが、その“ドコドコ感”とはいったいどんなものだろうか!? 今回はその“謎めいた表現”について掘り下げてみよう。

ロングストローク化で誕生したトルク型エンジン

1970年代、高性能な日本製バイクに対抗するべくハーレーは排気量を拡大したワケだが、これによって誕生したのが「ロングストローク」エンジンだ。つまり、ピストンの上下する距離が長くなったことでテコの原理が加わって【クランクを回すチカラ=トルク】が大きくなったということ。対して、直列4気筒を搭載し、当時のライバルとして見られていた日本車は、1発の回転力が小さい代わりに、たくさん回すことで馬力、つまりパワーを稼いでいた。ハーレーのようなOHVのロングストロークエンジンは上が回らない代わりに、下からもの凄いトルク、つまり車体をグイグイ押し出すような加速が楽しめるようになったというワケだ。

ピストンが一番下がったときのピストン上面の位置を下死点、一番上がったときの上面の位置を上死点という。上死点から下死点までの長さ、つまりピストンが動く距離を「ストローク」という。また、シリンダーの内径を「ボア」と呼び、ボアに対するストロークの比率をボア・ストローク比という。ボアに対してストロークが短いものを「ショートストローク」、長いものを「ロングストローク」という。一般的にショートストロークは高回転&馬力型、ロングストロークはトルク型のエンジン特性となる。また、ボアとストロークが同じものを「スクエアストローク」といい、エンジン特性としては馬力型とトルク型の両立を狙ったものだ

ハーレーの“味”に欠かせない、そのほかの要因

●2つのシリンダーが進行方向に対して縦に並んでいる

●シリンダーとシリンダーの間の角度(挟角)が45度

●2つのピストンを同軸のピンでクランクに連結

これらの特徴によってハーレーのVツインエンジンは、いわば“超巨大な単気筒エンジンを2つに分けた”ような特性をもつ。前後のピストンにかかる爆発力がひとつのクランクに、ひいてはリアタイヤに伝わるために、1回引いては押し出し、また引いては押し出すという、まるで波のような、1発1発の爆発がクリアな“ドコドコ感”に一躍買っているのだ。

ズッダッダッダッ!! と身体に響く鼓動感

アクセルを開けたときにスダダダダッ!! とチカラ強く加速する鼓動感こそが「ドコドコ感」の正体だ。このときの「ズダダダダッ」は、「ズッダッダッダッダッ!!」と1発1発の爆発の間に溜め”が入るような、ハッキリとした爆発感が伝わるものこそが面白いとされるが、ショベルヘッド以降のハーレーは、より高回転化が求められた結果、巡行速度や快適さと引き換えに、それが年々マイルドになっていった。「ショベルが面白い」とよく言われる理由はここにあるのだ。

最新モデルのドコドコ感はどうなのよ!?

エボリューション、ツインカムと鼓動感が希薄になっていったのだが、最新型のミルウォーキーエイトは、ハーレー社の狙いからか、それ以前のエンジンよりもドコドコ感が強調されるようになった。それがわかりやすいのがソフテイルフレームのモデルだ。また、ミルウォーキーエイト107と114でも明確な差がある。下は60km/hぐらいで走行し、そこからアクセルをガバッと開けたときの鼓動のチカラ強さを検証したもの。ドコドコとした鼓動がハッキリと伝わるのは排気量の大きな114。それと比べると107は弱いものの、しっかりと鼓動を感じることができる。

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