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ハーレーの足まわりを考える【その5】

ハーレー 足まわり カスタム ホイール

ハーレーのサスペンションは広大なアメリカ大陸を走るために進化してきた。タイヤがグリップしにくいコンクリートの路面を坦々と長時間走り続けられるよう、疲れにくい乗り心地に特化して進化してきたのだ。対して、ここ日本では道路がアスファルトであることに加え、ワインディングも多く、さらに信号も渋滞も多い街中を走れば、ゴー&ストップを繰り返すことになる。アメリカと日本では、そもそもハーレーの足まわりに求められる性能が違うというワケ。そこで、日本国内でハーレーを安全に走らせるために必要なことを、その筋のスペシャリストとして知られる「サンダンス エンタープライズ」代表“Zak”柴﨑氏にうかがった。前回のディメンションに続き、今回は軽量ホイールの効果について考えていこう。

さらに軽快な運動性を目指すならホイール

前後サスはもちろん、車体のディメンションも見直したら、その次なるカスタムとしてオススメなのが軽量ホイールへの交換だ。サスペンションから下にある部品を軽量にするのは、運動性を追求するカスタムでは常識。サスそのものが、これまで以上に動くようになるのはもちろん、最もその恩恵を実感できるのが“ジャイロ効果の低減”である。これによって連続するカーブでの切り返しなど、圧倒的に運動性が向上するのだ。

ジャイロ効果って何!?

ノーマルホイールを回転させた状態から

傾けようとすると“元の位置に戻ろうとするチカラ”が働く!!

前述の「ジャイロ効果」とは、果たしてどのようなものだろうか!? それを体感するべく実験を行ってみた。重量があるノーマルホイールが回転すると、ジャイロ効果が発生。ホイールには元の位置(垂直)に留まろうとするチカラが働く。これが高速道路などで安定感を生み出しているのも事実だが、ワインディングではどうだろう!? 垂直状態からホイールを傾けてみると(上写真)、その角度を維持しているのが困難なほど、ホイールには起き上がろうとするチカラが働くのだ。これを弱めるのが軽量ホイールへの換装というワケだ。

軽量ホイールはどれほどの効果がある!?

では、軽量ホイールに交換するとどれぐらいジャイロ効果は軽減されるのだろうか!? 上で体感したノーマルホイールと同じように、今度はサンダンスオリジナルの“トラックテック”で実験した。

グルグルグル

スパッ “抵抗が……ない!?”

ノーマルはジャイロ効果が強く、チカラを緩めると元の垂直状態へと戻ろうとしたが、ジャイロ効果がまったくなくなるワケではないものの、抵抗感は圧倒的に弱まり、寝かし込むことがラクに。ワインディングをもっと軽快に走りたいという人は見逃せないアイテムといえるだろう。

【CR Type】

F1用のホイールでも知られる「エンケイ」に製作を依頼し、最新技術と材料を投入して開発されたサンダンスの“トラックテック 7スポークアルミキャストホイール”。H-Dワークスレーサー“XR750”を彷彿とさせる7本スポークのデザインを踏襲しながらハイスペックを追求。近年の純正13本スポークホイールと比較して20~25%の軽量化を、安全基準であるJWLのテストをクリアしたうえで実現した。JWLの刻印が入った社外ホイールは多いが、実際にはテストを行ってクリアしている商品はないに等しく、強度面や耐久性でも安心感は絶大。ストリートでの使用を考えるなら、まさにオススメといえる逸品だ。サイズは19×2.5、18×4.0、17×5.5の3種をラインアップ

【VR Type】

【DW Type】

【BB Type】

ご存じサンダンス エンタープライズ代表の柴﨑“Zak”武彦さんは、ハーレーに関する知識と技術に長け、日本のみならず世界にその名を馳せるエンジニア。エンジンだけでなく足まわりにも造詣が深い。

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