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【ヴィンテージH-D カスタム ファイル】“自己流”から生まれた1970sボバー

ショベルヘッド リジッドフレーム ボバー

1940~1950年代のリジッドフレーム時代のハーレー、その当時のレーサーのような佇まいと1970年代のアメリカの雰囲気を両立したかのような1973年モデルの「FLH」。これを製作したのは埼玉県秩父市のペイントショップ「ASAMA」。普段は民間車検場で働くオーナーの斉藤さんが、それ以外の時間を使ってバイクやクルマのカスタムを請け負っている。

ペイントショップが手掛けた車両にしてはシンプルにも感じられる塗装だが、これは1970年代のAMF時代のカラーリングを忠実に再現したもの。ブルーにもグリーンにも見える深みのあるキャンディカラー、そしていまだファンの多いレインボーラインの純正カラーをカスタム車に違和感なく落とし込んだ辺りに作り手のセンスが光る。オーナーが目指したのは、本物のヴィンテージパーツを盛り込んで1970年代当時のカスタムを再現することではなく、ワンオフパーツを中心に新しい手法で当時っぽいアメリカのカスタムを表現することだ。

リジッドフレームのラインに合わせてチョップされたリアフェンダーやドラッグレーサーのようなホールド性の高いシート、そしてパフォーマンスを感じさせるマフラーや純正カラーを落としこんだチョップドタンクなど、旧きよきアメリカのレースシーンを彷彿とさせるカスタムパーツや手法によって、まさに当時のリアルなカスタムを思わせる見事な仕上がりだ。あえて当時風に見せるためにエイジング加工を施すカスタムも珍しくないが、あえてピカピカに仕上げた作り込みにオーナーのこだわりが垣間見える一台だ。

一見するとドラッグバー風だが、クランプ部分から一度立ち上がったうえで後方へグッとひかれたスポーティな形状。幅も極限まで詰めることでコンパクトかつレーシーなポジションを生み出している。

スリムでコンパクトなシルエットを形作るオリジナルのチョップドタンクには、純正カラーと当時のエンブレムを落とし込むことで、あえてストック風に仕上げている。

まるでドラッグレーサーのようなホールド性の高い形状のシート。ボリュームをもたせたダイヤモンドステッチがなんともいえない迫力を醸し出している。

複雑な取り回しのエキゾーストパイプとエンドへ向かって広がっていくメガホンマフラー、さらにツースロートキャブレターを組み合わせてパフォーマンスを匂わせる仕上がり。同時に車体を横から見たときにフレーム内にマフラーが収まるように作り込んだことで、リジッドフレームならではのシルエットの美しさも強調されている。

オープンプライマリー&ジョッキーシフト化することで操る楽しさを追求。飾り気のない無骨な作りのシフトレバーがまるで本物のレーサーであるかのような雰囲気を強調している。

【DATA】

取材協力/ASAMA TEL0494-77-1015

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