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2025 キング・オブ・ザ・バガーズREPORT/4~H-D誕生の地でハーレーが表彰台を独占するも幻に(!?)

king of the baggers キングオブザバガーズ 2025 ロードアメリカ カイルワイマン

5月30日から6月1日にかけての週末、ウィスコンシン州エルクハート・レイクにある「ロードアメリカ」にて、シリーズ第5ラウンドと6ラウンドが開催された。キング・オブ・ザ・バガーズは近年、“1開催につき2ラウンド行う方式”を採用しており、今期は全14ラウンドが行われる。現在シリーズポイントをリードする#33カイル・ワイマン選手(HARLEY-DAVIDSON×DYNOJET)が駆るロードグライドは、前回の第3、4ラウンドで素晴らしい仕上がりを見せた。ハーレーダビッドソン生誕の地であるウィスコンシン州で開催される今回のレース。会場には数々の名車を手がけたレジェンドデザイナー、ウィリーGが駆けつけたほか、多くの熱烈なハーレーファンが見守る中、どんな走りを見せてくれるのか自然と胸が高鳴る!!

ロードアメリカは、ウィスコンシン州で1955年から続いている歴史あるサーキット。開場当時のレイアウトを現在も完全に維持しているという点で、世界でも珍しいコースのひとつだ。約4.05マイルのコースは高低差が大きいほか、全14コーナーのうち「ターン11」は「THE KINKS(ねじれ)」と呼ばれ、攻略にテクニックがいるコーナーも少なくない。ホームストレートではマシンによっては200マイル(320km/h)に到達する、非常にダイナミックなサーキットだ

土曜日の予選で#33カイル・ワイマン選手は、1周約4.05マイル、全14コーナーからなるロードアメリカのコースで2分17秒452という猛烈なラップを記録。2024年のラップレコードを1.683秒も更新する好記録となった。このタイムに元Moto GPのベテラン、#38ブラッドリー・スミス選手(HARLEY-DAVIDSON×DYNOJET)が2分18秒737で予選2位で続き、さらに#43ジェームス・リスポリ選手(HARLEY-DAVIDSON×DYNOJET)が2分18秒862で3位と、フロントローをH-Dファクトリーチームが独占するというハーレー誕生の地で開催されるレースにふさわしい結果となった。

コースを5周する【ラウンド5】の決勝、#33カイル・ワイマン選手が素晴らしいスタートを切り、序盤からレースを牽引。その後ラップが進むにつれ、#38ブラッドリー・スミス選手、#29タイラー・オハラ選手(S&S/INDIAN MOTORCYCLE)、#1トロイ・ハーフォス選手(S&S/INDIAN MOTORCYCLE)、#69ヘイデン・ギリム選手(RevZilla/Motul/Vance&Hines×HARLEY-DAVIDSON)が集団で争い、その背後に#43ジェームス・リスポリ選手がつけるという展開に。リスポリはその後、4周目に#1トロイ・ハーフォス選手をパスして3位に浮上。2位の#38ブラッドリー・スミス選手も4周目に2分18秒007という最速ラップを記録し、トップを走る#33カイル・ワイマン選手に迫る!! 結果、#33カイル・ワイマン選手が僅差で逃げ切り、2位に0.255秒差をつけてゴール。#43ジェームス・リスポリ選手はトップから4.493秒遅れで3位、4位に入った#29タイラー・オハラ選はリスポリから1.095秒遅れてでフィニッシュした。予選の結果そのままに、決勝もH-Dファクトリーチームが表彰台を独占する結果となった!!

ファクトリーチームのライダー全員で表彰台に上がることができて、本当に素晴らしい気分です。私たちは皆一生懸命やってきましたが、今年は何かが違うと思います。私たち3人それぞれがもたらすエネルギー、そしてハーレーダビッドソンをトップにするために全員が協力していることで、とても大きな一歩を踏み出すことができました。本当に最高の気分です!!(#33カイル・ワイマン選手)」

このレースプロジェクトがスタートしてから5年間蓄積してきた、数多くの貴重なデータが、今日の素晴らしい結果につながったのだと思います。4~5年連続で365日取り組んできたチャレンジの成果が、最終的に私たちに素晴らしい結果をもたらしてくれました。このサーキットは、まるで自分の家のような気がします。そんな場所で、できる限り最高のレースになるように頑張りました。今日のレースは間違いなく人々の記憶に永遠に残るでしょう(#38ブラッドリー・スミス選手)」

MotoAmerica Mission King Of The Baggersレース結果~ロードアメリカレース1

1位 #33カイル・ワイマン(HARLEY-DAVIDSON×DYNOJET)

2位 #43ジェームス・リスポリ(HARLEY-DAVIDSON×DYNOJET)

3位 #29タイラー・オハラ(S&S/INDIAN MOTORCYCLE)

ラウンド5はこちらで見ることができます

日曜日に行われた【ラウンド6】では、#1トロイ・ハーフォス選手(S&S/INDIAN MOTORCYCLE)がスタートでリードを奪うと、これをH-Dファクトリーチームの#38ブラッドリー・スミス選手、#33カイル・ワイマン選手、#43ジェームス・リスポリ選手が猛追。そのトップグループを#29タイラー・オハラ選手(S&S/INDIAN MOTORCYCLE)、#69ヘイデン・ギリム選手(RevZilla/Motul/Vance&Hines×HARLEY-DAVIDSON)、#76ロリス・バズ選手(S&S/INDIAN MOTORCYCLE)が追いかける混戦模様となった。#1トロイ・ハーフォス選手がペースを遅くしてレースをコントロールしようと努める中、3周目に#38ブラッドリー・スミス選手のハーレーがトップを奪うが、再びインディアンがリードを奪い返し、4周目に再びトップを奪うハーレーVSインディアンの熱いバトルが繰り広げられた。しかし#1トロイ・ハーフォス選手は、#43ジェームス・リスポリ選手に次ぐ3位に後退。最終ラップで2位に返り咲くと、最終コーナーで#38ブラッドリー・スミス選手に仕掛けて接触!! スミス選手は痛恨のコースアウトを喫した。その後#1トロイ・ハーフォス選手がそのまま逃げ切り、2位を走る#43ジェームス・リスポリ選手と0.229秒という僅差でゴール。一方、現在シリーズポイントをリードする#33カイル・ワイマン選手はトップから1.195秒差の3位でゴール。#38ブラッドリー・スミス選手はマシンを立て直してフィニッシュラインを通過し、貴重な5ポイントを獲得した。

日曜日の決勝の後、2位でゴールした#43ジェームス・リスポリ選手は、「今回のレースのおかげで最高の週末になりました。私たちのチームは、このキング・オブ・ザ・バガーで私が満足のいくレースができるよう、本当に尽力してくれました。そのおかげでレース中、#38ブラッドリー・スミス選手と#1トロイ・ハーフォス選手のバトルを最高な席で観戦することができました。もちろん私たちは皆、勝つためにここにいるので本音を言えば勝ちたかったけれど……」と語った。

MotoAmerica Mission King Of The Baggersレース結果~ロードアメリカレース2

1位 #1トロイ・ハーフォス(S&S/INDIAN MOTORCYCLE)

2位 #43ジェームス・リスポリ(HARLEY-DAVIDSON×DYNOJET)

3位 #33カイル・ワイマン(HARLEY-DAVIDSON×DYNOJET)

ラウンド6はこちらで見ることができます

※※土曜日のレース後に行われたテクニカル検査で、#38ブラッドリー・スミス選手のマシンが「レース中に7000RPMの回転制限を超えていた」と判断され、MotoAmericaのオフィシャルから失格とみなされた。この違反は、スミス選手がコーナーに進入し、エンジンからの動力がない状態から下り坂を加速しようとした際に発生したため(点火カットもなされた)、ハーレーダビッドソン社は性能上の優位性は発生しなかったと主張し、この決定を「米国モーターサイクリスト協会」に控訴したが却下された。この異常は、スミス選手のマシン特有のギアリングとエンジンマッピングによるもので、カイル・ワイマン選手とジェームス・リスポリ選手が乗ったマシンは回転制限を超えていなかった。ハーレーファクトリーチームが表彰台を独占した結果は、まさに幻となってしまった。

失格発表後、ブラッドリー・スミス選手は「チーム内の見落としにより、レース1では私の電子機器に対抗措置が追加されていませんでした。日曜日はその対策が施されましたが、ラップタイムは土曜日よりも速くなり、レースをリードすることができました。これは、回転制限を超えても性能向上がなかったことを明確に示しており、レブリミットを超えてしまったのは純粋にコースの性質によるものだったと思います」と主張している。

14ラウンド中6ラウンドを終えた時点で、#33カイル・ワイマン(HARLEY-DAVIDSON×DYNOJET)が136ポイントでシリーズを圧倒的にリード。が、ここにきてインディアン勢がポイントを稼いでおり、ワイマンに次いで#1トロイ・ハーフォス(S&S/INDIAN MOTORCYCLE)が80ポイント、#76ロリス・バズ(S&S/INDIAN MOTORCYCLE)が77ポイント、#29タイラー・オハラ(S&S/INDIAN MOTORCYCLE)が63ポイントで続く。さらに#69ヘイデン・ギリム(RevZilla/Motul/Vance&Hines×HARLEY-DAVIDSON)が58ポイント、#38ブラッドリー・スミス(HARLEY-DAVIDSON×DYNOJET)が57ポイント、さらに#43ジェームス・リスポリ(HARLEY-DAVIDSON×DYNOJET)が53ポイントとなっている。

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