鉄馬乗り的 銘品図鑑　ビーズ屋公ちゃん。「CORDOVAN WALLET D-TYPE」

　世には銘品と呼ばれる優れたプロダクトが、数多く存在している。そんなマスターピースを鉄馬乗りの目線でピックアップ。ハーレーライフをより充実させてくれる相棒になってくれることだろう。今回はウォレットの最定番、ビーズ屋公ちゃん。の「CORDOVAN WALLET D-TYPE」をご紹介。

問い合わせ／／ビーズ屋公ちゃん。　TEL052-823-5900　http://www.bead-ya.com/

バイカーズウォレットの文化を作ったパイオニア

　トラッカーウォレットやバイカーズウォレットと呼ばれる財布が誕生したのは、戦争で勝利し、空前の好景気を迎えたゴールデンエイジのアメリカ。当時はチェーンが付いた簡素なデザインで、トラック運転手が使っていた。彼らは長時間にわたり運転するためバックポケットからウォレットを取り出すが、降りる際にそれを忘れないようにチェーンが付けられたというのがルーツだという。ライディング中に財布を落としてしまうことが多かったバイク乗りたちが、この手のトラッカーウォレットをこぞって愛用し、いつしか定番となっていった。それが日本で独自の進化を遂げ、本来はクオリティの低いウォレットを高品質にリファインし、バックポケットから見える部分にコンチョボタンでカスタムするというバイカーズウォレットが誕生した。そのパイオニアが、名古屋に拠点を置く“ビーズ屋公ちゃ。”だ。
　まもなく30周年を迎える老舗ブランドで、創業以来、一貫してハンドメイドにこだわっている。「ハーレー乗りが満足する、タフで美しいプロダクト」をコンセプトとしたレザー製品は、どれもヘビーデューティながらも、卓越した手仕事と徹底的にこだわり抜いたオリジナルレザーを組み合わせることで、唯一無二の完成度を誇っている。
　キャッシュレス化といった時代のニーズに合わせて、小型のウォレットなども展開しているが、当ブランドの真骨頂を味わいたいなら、間違いなくコンチョ付きのロングウォレットだろう。その中でも銘品として名高いのが、革のダイヤモンドとも呼ばれるコードバンを用いたスペシャル仕様だ。
　ブラック、バーガンディ、きなり、本藍染めなどのカラーバリエーションがあり、どれも魅力的なラインアップとなっている。その中でも推したいのが、“きなり”か世界で唯一実現している“本藍染め”のモデルだろう。
　今回ピックアップしたのは、エイジングが存分に楽しめるナチュラル仕上げのきなりだ。
　コードバンは、一般的な銀面を残してなめされた革と違い、皮膚組織の内部にある厚さわずか2㎜程度の「コードバン層」と呼ばれる部分だけを削り出したもの。そのため生体本来のシミも多く、染色の施していないナチュラル仕様は、厳選しなければならない。しかもコードバンを鞣せるタンナーは世界中でも少なく、日本では姫路にある馬革のスペシャリストである「新喜皮革」のみなのだ。
　ビーズ屋公ちゃん。と新喜皮革は、共同で世界初となる本藍染めのコードバンを開発するなど、強いパートナーシップを持つ。そんな関係があるからこそ、クオリティの高いナチュラルコードバンを用いたウォレットが実現したというわけだ。
　またハンドメイドしているからこそ、細かなカスタムオーダーにも対応が可能となっており、自分だけのスペシャルな仕様を作れるのも、銘品として呼び声が高い理由のひとつだろう。

コードバンウォレット　Dタイプセット
イーグルトレードマークコンチョ
15万2130円

革のダイヤモンドと呼ばれるコードバンの中でも貴重なナチュラルカラーを用いたロングウォレットのDタイプセット。アイコンであるイーグルモチーフのコンチョとウォレットコードが付いている。素上げのコードバンなので、使い込むことによって、最高のエイジングを楽しめる

バイカーズウォレットの象徴

日本におけるバイカーズウォレットのカルチャーを象徴するコンチョカスタム。925のスターリングシルバーを用いており、7つのバリエーションを展開。どれもネイティブアメリカンをモチーフとしたグッドデザインだ

豊富なカスタムメニュー

ビーズ屋公ちゃん。はすべてハンドメイドで製作するため、内側のレイアウトや内張りのレザーなど、豊富なカスタマイズが可能となっている。使用者の用途に合わせて、最適な仕様にできるのも高い技術があるからこそだ

美しい経年変化

ビーズ屋公ちゃん。の醍醐味のひとつが美しいエイジング。特にコードバンのきなりは、顕著な経年変化となる。その他にもイタリアンレザーやサドル、クロコダイルなど、魅力的な選択肢がラインアップされる

魂のハンドステッチ

ヘビーデューティに仕上げるためには厚いレザーと頑丈なステッチは絶対に欠かせない要素。ビーズ屋公ちゃん。では創業以来、一貫してハンドステッチにこだわっている。その美しさは、使い込んでこそ真価を発揮する