今年の“H-Dアイコンコレクション”に「FAT BOY」が登場!!

往年の名車がもつ雰囲気やカラーリングを、現代の最新モデルに落とし込んだ限定生産の復刻シリーズが「アイコンコレクション」。これは2021年から始まった人気のシリーズで、登場以来毎年1機種をピックアップして、昔のカラーリングやディテールなどを復刻してリリースしているのだが、今年度はロングセラーモデルである「ファットボーイ」をベースに、往年の初期イメージを再現したマニアなら注目せずにいられないモデルが登場した。

まだリアサスペンションが装備されていなかった1950年代の「リジッドフレーム」のシルエットを踏襲しながらも、リアショックを備えて近代の交通事情にマッチする性能をもたせた「ソフテイル フレーム」を採用したモデルを開発するや、これが爆発的にヒット。このソフテイルによって現代のハーレーダビッドソン社の基盤が築かれたといっても過言ではないのだが、それをさらに盤石なものにしたのが1990年に登場した「FLSTFファットボーイ」の存在だ。ハーレーの伝統的サイズといえる径16インチの前後ホイールには、当時珍しかったディッシュホイールを採用。さらに初期モデルは戦闘機をモチーフに、シルバー塗装されたフレームと外装、エンジンまわりはイエローのストライプを加えるなど、“前後16インチホイールにフルスカートフェンダー”というハーレー伝統のシルエットを継承しつつも、迫力あるカスタムモデルに仕上げて世界中のファンを魅了した。これが現在まで続くロングセラーモデルとなったのだ。

今年度のアイコンコレクションとして登場した「ファットボーイ グレイゴースト」。2025年で発売から35周年を迎えた記念モデルとしてもふさわしく、初代ファットボーイを彷彿とさせるディテールをまとって世界限定 1990 台(うち、234台が日本で販売される)のみが販売される、極めて希少価値の高いプレミアムなモデルだ。初代をイメージしたシルバー塗装仕上げのフレームに各部に入れられたイエローのストライプが印象的だが、なんといっても注目はすべてクロムメッキで仕上げたかのような外装パーツだろう。

前後に極太タイヤを備えた“ファットカスタム”の元祖ともいえるファットボーイへの敬意を表し、鏡面風のリフレクション仕上げを施した。フェンダーとタンクは、「薄膜コーティングの物理蒸着(PVD)」によるもので、これほど大きな部品にPVDを使用したのはハーレーとして初めての例だという。このコーティング技術により、クロムメッキのような美しい見た目でありながら、クロム仕上げでは不可能な非常に高い耐食性を両立している。
また、レースとタッセルがあしらわれたシートや、レースで縁取られたブラック レザーのタンク ストラップなどのディテールがノスタルジックな雰囲気に拍車をかけている。立体的なタンクメダリオンは、初代モデルの象徴的なウインググラフィックを再現。また、タンクコンソールにはシリアルナンバーを刻み込んだうえ、リアフェンダーにはアイコンコレクションのメダリオンを配してプレミアム感を高めている。






FAT BOY GRAY GHOST/ファットボーイ グレイゴースト
362万7800円