鉄馬乗り的 銘品図鑑 WESCO「BOSS」
世には銘品と呼ばれる優れたプロダクトが、数多く存在している。そんなマスターピースを鉄馬乗りの目線でピックアップ。ハーレーライフをより充実させてくれる相棒になってくれることだろう。今回はバイク乗りの足元の定番、ウエスコの「BOSS」をご紹介。
問い合わせ/ウエスコ ジャパン TEL06-6783-6888 https://wescojapan.com/
キングオブアメリカンワークブーツ
ハーレー乗りなら一度は憧れるヘビーデューティなアメリカンブーツの象徴であるウエスコ。1918年にオレゴン州ポートランドという町で、ジョン・ヘンリー・シューメイカーが創業。現在は彼の孫であるロバータ・シューメイカーが社長を務め、その伝統を脈々と受け継いでいる。
多くの名作をラインアップするが、その中でも象徴的な存在が、オールマイティなワークブーツであるジョブマスターと、エンジニアブーツのボスだ。どちらも甲乙つけがたい名作だが、ハーレー乗りという視点では、世界最高峰のモーターサイクルブーツとも称されるボスが一枚上手かもしれない。
ワークブーツの定番であるエンジニアブーツでありながら、ボスがモーターサイクリストたちのツールとなっているのは、他社と比べて頑丈な作りであるのに加え、創業時から守り続けている独自のステッチダウン製法だからこそ実現できる防水性、屈曲性にある。
今のシューズメーカーの多くが採用しているのが、大量生産をより効率化するためのグッドイヤーウェルト製法。つまり、中底に張り付けられたリブと呼ばれる突起部分に、アッパー、中底、ウェルトを一緒に縫い付け、本底と縫合する製法を採用している。一方でステッチダウン製法は、アッパーを外側に吊りこみソールと直接縫い付ける手法。アッパーの革がリブ部分まで覆い被さる構造となるため気密性が高く、ソールの剥がれへの耐久性も向上させる。拠点であるオレゴン州は雨が多い地域であるため、その防水性の高さは地元ワーカーたちにとって大きなアドバンテージだったのだ。
またウエスコを語るうえで欠かせないのが、驚くほど細かな点までカスタムオーダーできること。これはアメリカの象徴である大量生産とは一線を画した、ウエスコの伝統的な作りに理由がある。
創業当時から変わらない徹底した品質管理のもと、裁断、縫製、ソールの取り付けなどをすべて自社工場で行い、熟練した職人たちがハンドクラフトによる155もの工程を経て、プロダクトが完成する。そのような生産背景があるからこそ、細かなカスタムオーダーが可能となっているのだ。
アッパーの素材やカラー、サイズ&ワイズといった基本的なカスタムは言わずもがな、ここでは書ききれないほどの充実したカスタムメニューが用意されている。ハーレー乗り目線で嬉しいのが、ハイトの高さとソールの種類。ボスは11インチがスタンダードな高さだが、1インチ刻みで調整が可能。愛車のスタイルや日々の用途でベストな丈を選べるのは大きな利点だ。またソールはすべてビブラム社製を採用しており、ヘビーデューティの代名詞である「#100」からデイリーでも最適なフラットなクレープソールまでラインアップ。人それぞれ愛車にとっての適切なソールボリュームが異なるので、ストレスなく操作できるのはこのうえないメリットだ。
BOSS
13万1780円〜
ウエスコを象徴するモデルのひとつであるエンジニアブーツ。スタンダードは11インチ丈だが、ハイトの高さなど、事細かくオーダーすることができる。また独自のステッチダウン製法を用いているため、タフで防水性が高く、雨風に打たれるバイク乗りにはうってつけの作りだ
タフなステッチダウン製法
ウエスコが創業時から守り続けているのが、ステッチダウン製法。他の製法に比べると手間は掛かるが、気密性が高く、屈曲性に優れているため、ハーレー乗りにとっては大きなアドバンテージとなってくれるのだ
豊富なレザー&カラー
ウエスコではタフで防水性にも優れたオリジナルの牛革をメインに、レザーの種類とカラーバリエーションを含めると20種類以上からカスタムオーダーすることができる。また日本との強いパートナーシップにより、国内のみオーダーできるスペシャルな革も用意される
充実したアウトソール
ワークブーツの個性の決め手となるアウトソールは、その耐久性の高さと信頼性からすべてビブラム社のものを採用している。ヘビーデューティなものからクッション性の高いものまで豊富で、ミッドソールの厚さも指定することができる
100年以上続く一族経営
アメリカでは珍しい100年以上続くファミリービジネスであることもウエスコの大きな特徴。1918年にジョン・ヘンリー・シューメイカーが創業。現在は彼の孫であるロバート・シューメイカーが社長を務め、その伝統を守り続けている。そんなロマンも魅力である