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【チャレンジ企画】バイクのシートを自分で張り替えてみた

私(クラブハーレー編集部アメミヤ)の愛車は1984年式のXR1000。37年前のモデルだけあって、それなりにヤレている。基本的にズボラなので、それほど気にしていないのだが、中には“コレはまずい”という部分もある。そのひとつがシートだ。すでにレザーが破れかけているため、このまま放っておけば、ビリビリに破れてしまうことは必至。とはいえ、月のお小遣いも限られているので、直す予算もあまりない……。そんなとき、ネットで張り替え用のレザーが2000円ほどで販売されているのを見つけ、自分で張り替えてみることにした

シートはいま、こんな状態

以前にマフラーを塗装するなどして全体を念入りに磨き上げたので、写真ではそれほどヤレて見えないが、実際は年式相応にくたびれている。それが顕著にわかるのがシートだ。

おそらくは30年以上手つかずのシート。表皮はカチカチに硬化し、各部にヒビ割れが出現している

レザーの表面は毛羽立っている感じだが、目を凝らしてよ~く見ると、小さな穴が無数に開いているようだ

自分でシートの張り替えにチャレンジ!

まず用意したモノ

というワケで、ネットで見つけた汎用のシートレザーを購入。また、シートベースにレザーを留める際に必要になるステープルガンも合わせて用意。ふたつ合わせて購入しても5000円ほどで収まるため、自分でキレイに張り替えることができれば、かなり節約になるハズ。逆に、失敗したら仕方ない……と許せるレベルだ。

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購入したのは立体裁断されたモノではなく、“一枚モノ”のレザー。さすがにコレをキレイに張るのは難しいかもしれないが、伸縮性はすこぶるイイ

ステープルガン C-Timvasion 強力型タッカーは、リムーバーと針が付属しているので「コレは重宝しそうだ!」と購入

車体からシートを取り外す

バイクの車体から取り外すのはもちろん、表皮を剥がす際にジャマになるであろう部品があれば外しておく。この際、ノーマルがどんな具合でレザーを張っているのかをよく確認しておくといいだろう。

実際にシート単体で見てみると、車体に取り付けていたときよりレザーのヘタり具合がわかる。普段は見えないシート裏側のフチ部分などは、破れやすいので、張り替える予定はなくとも、点検していくといいかも

レザーを剥がす際にジャマになりそうな部品は外しておく。XR1000の“そら豆シート”の場合は、後部にある取り付け用ステーを撤去した

元の針を抜く

実際にレザーを剥がしていくのだが、レザーはタッカーでベースに打ち込まれているため、まずはタッカーの針を一つひとつ抜いていく。購入したタッカー付属のリムーバーではまったく歯が立たなかったが、そういう場合にはちょうどいいサイズのマイナスドライバーなどでこじって浮かせ、プライヤーで引き抜くべし。

針のサビサビ具合を見て、一瞬やめたい衝動にかられたがグッと我慢。覚悟を決めてマイナスでこじってみると、見た目とは裏腹に固着はなく、クイッと針を浮かすことができた

 

マイナスドライバーで針を浮かせ、プライヤーでつまんで引き抜く。さすがにサビサビだったので、この際にポキッと折れることもあったが、それはあとあと考えることにして、とにかく引き抜く

シートレザーを剥がす

根気よくすべての針を外したら表皮を剥がす。私のXR1000の場合は、スポンジとシートベースが接着されていないのでベースから取り外してスポンジのみの状態を確認。特に湿ってはいなかったが、スポンジとベースの間からサビがパラパラと落ちてきた。せっかくなのでそれらもキレイに除去しておいた。

針をすべて撤去すると、カバーをメリメリと剥がすことができる。中から現れたスポンジは、まぁまぁ汚い(笑)

あらわになったスポンジ。結構な染みがあるものの乾いた状態だったので、このまま組み直す。湿っている場合は、日陰干しで乾燥させておこう。また、スポンジとベースを外せるようになるので、ベースのみの状態にすると、ポキッと折れてしまった針も抜きやすかった

まずはレザーを仮留めする

スポンジ&ベースに新しいレザーに張っていくが、まずは位置などを決めるために仮留めする。この際は最初に前後、次に左右という順番で留める。レザーにテンションをかけて張る必要はあるものの、あくまでも仮なのでホドホドのチカラ加減でOK。この後でしっかりと張っていく際、いずれにせよ仮留めの針は外してしまうからだ。

最初は位置決めが目的なので、このときにレザーをビンビンに張って留める必要はないが、この仮留めの針がこの後でテンションをかけて張っていく際の足がかかりとなる

これはレザーを仮留めしたシートを裏側から見たところ。まず前後、そして左右と、それぞれ3カ所ぐらいタッカーを打ち込んで仮留めした

シワの様子を見ながらレザーをキツく張り直す

仮留めの状態から、テンションをキツくして張り直していく。まず前、そして後ろという感じでシワに気をつけながらレザーを張っていく。とはいえ、いきなりシワもなくキレイに張ることなどまず不可能。そのため、テンションをかけて張り直すことを目的に作業した。この作業中、仮留めの針などジャマになる場合は抜いてしまおう。私の場合は、結果的にぜんぶ抜きました。

まずは前後方向、そして左右、最後に斜めという順番でテンションをかけて張り直していく。ほぼ曲面といえるそら豆シートの場合、いきなりシワを無くそうと思って作業してもまず不可能。シワを全方向に満遍なく分散させていくように張るといい

ひらすら根気よくシワをとる

丸さが際立つそら豆シート。その形状が可愛らしくもあるワケだが、ことシート張り替えになると憎さしか沸いてこない(苦笑)。どんなにテンションをかけてピンピンに張っても、前と後ろ部分のシワは消える気配がないのだ(涙)。針を外し、時にはキツく、時には緩めながら何度も繰り返した。だが、後ろ側のシワは最後まで取り切れず、結局妥協することに。

前側のシワは、それほど苦労せず(とはいっても何度も何度もやり直したが)キレイにシワを消すことができた

最も苦労したのは後ろのシワだ。最初のテンションがけの段階で、どうにもならないぐらいに巨大なシワが出現。この大きなシワを後ろ斜め方向に分散させる形で張り直したりして、どうにか右の状態までもっていったが、個人的にギブアップ。パンツのシワ的になってしまったが、作業の苦労、そして何度やっても消えないしつこいシワを思い返せば、ぜんぜん気にならないレベルになったと自負できる(涙)

シワをなくすコツ

シワを無くそうと四苦八苦するうち、自分なりのシワの消し方を編み出したので、ここでお披露目しておこう。まず、シワができた場合には周辺の針を外して緩ませる。そしてそのシワをシートの裏側に“押し出す”ようにしてタッカーで留めるべし。シワを伸ばすというと、一方向に表皮を引っ張りたくなるが、押し出すほうがキレイにシワをなくすことができた。

シート前方の側面に現れた大きめのシワ。コレをなくすには、まず周辺の針を外して表皮を緩ませる

周辺の針を抜き、表皮を緩ませたら、シートの裏側にシワを“送る”ようにて押し出す。チカラを込めて表皮を引っ張る必要はない

シワをシートの裏側へと押し出したら、その状態で保つ。写真の場合は親指で抑えつけている。この状態を保ちながらタッカーで留める。前方側面に新たなタルみができているが、同じ要領で裏側に回してタッカーで留めるとシワを消すことができる

最後に余ったレザーをカット

納得いく出来栄えになったら最後に裏側の余った表皮をカットする。タッカーの針から1~2cmを目安にカットするのだが、私の場合はシワ伸ばしの作業中に、ジャマだな! と感じたら切ってしまったので、あまりは少なかった。

納得のいく張り具合になったら余った表皮をハサミでカット。切る際は針から1~2cmぐらいが目安だ

完成!!

立体裁断ではないぶん、“一枚モノ”の表皮ではさすがに限界はあったが、自分では納得できるモノとなった。だが仮に一枚モノではなく、そら豆シートの形状に近いシートの立体裁断モノを流用すると、もっと上手くできたのではないかと思う(例えばスーパーカブ用など)。きっと次はもっと上手くできるハズだ!

フロント側はツルツル。我ながら頑張った! とほめてあげたい出来栄えだ

これでもかなりシワ取れたんですよ!? と言い訳してみる。シワは目立たない……とはいえない完成度だが、個人的には満足いく出来栄え。破れているよりマシでしょ!

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