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【新しいスポーツスターに注目!!】新型は何が違う!?

既に予約販売がスタートしているので、ご存じの方がほとんどだと思うが、いよいよ水冷エンジンを搭載した次世代モデル、“スポーツスターS”が登場。公式には発表されていないものの、これが従来までの“空冷スポーツスター”にとって代わるものと考えられており、今後さらなるバリエーションモデルを増やしていくことで、新しい「スポーツスターファミリー」を構築していくだろうと言われている。では、これまでのモデルと何が違うのか!? という点に注目しながら新型に迫っていこう。

そもそも、【スポーツスターS】ってどんなバイク!?

スポーツスターS 185万8000円~

可変バルブタイミング機構を採用した新開発の水冷60度Vツインエンジンは、最高出力121HP、最大トルクは125Nmを発揮。基本的には先に発売された“パンアメリカ1250”と同じユニットだが、低中回転域を強化したうえで搭載している。もちろん車体もまったく新しいものに刷新。注目の倒立フロントフォークには、ブレンボ製モノブロックキャリパーをラジアルマウントで装備するほか、リアショックをモノサス化。加えて、いまや他メーカーのモデルでは当たり前の装備となったトラクションコントロールや、路面の状況や乗り手の好みに合わせて、エンジンの特性などを変更できる電子制御デバイスを盛り込み、従来までのオーソドックスなモデルとは一転、最新スポーツバイクといっても遜色ないキャラクターが与えらえている。

ライトの光が均一に広がるように設計された、オーバル形状のフルLEDヘッドライトを採用。トリプルツリーの間にすっぽりハマり、さらに横から見ればライトが付いていないように見えるデザインは、ライトのないフラットトラックレーサーをイメージしているといえる
倒立フロがントフォークはSHOWA製の径43mm。当然カートリッジタイプで伸び側、圧側の減衰力が調整できるフルアジャスト仕様。備えられたブレーキキャリパーはブレンボ製のモノブロックタイプ。最新のラジアルマウントで、ここだけ見ればスポーツスターとは思えない装備だ
往年のフラットトラックレーサーをモチーフにした造形のハイマウントタイプのマフラー。マフラーからの熱を避けるように、しっかりとした作りのヒートプロテクターを備えている
レーシングマシン“XR750”のシートカウルを彷彿とさせるデザインのシートを採用。基本的に一人乗り仕様だが、オプションでパッセンジャー用のピリオンパッドとフットペグも用意されている。またがってちょうど後ろの左下にあるダイアルは、リアショックのプリロードを調整するためのものだ
スイングアームのピボット部の後ろにリンク式のモノショックを装備。別体タンクを備えたSHOWA製で、伸び側と圧側の減衰力調整が可能なフルアジャストタイプだ
フロント17インチ、リア16インチのタイヤは前後ともラジアルのダンロップ製GT503を装備。LEDのテールランプやウインカー、ナンバープレートはすべてスイングアームに備えられたステーに装備されている

注目ポイントはこのメーター!!

外観上はクラシカルな外観の4インチ丸形メーターだが、速度やエンジン回転数はもちろん、燃料計やギヤポジションを表示。無反射ガラスカバーを採用することで、あらゆる照明条件下でも見やすく設計されている。また、ハンドルスイッチに備えられたコントローラーを操作することで、タイヤの空気圧やエンジン温度、さらにバッテリー電圧や油圧といった情報もモニタリング可能。さらに、パフォーマンスライディングを実現する「スポーツモード」、日常使用に最適なバランス重視の「ロードモード」、荒天時などに役立つ安全性能重視の「レインモード」、そして自分好みにアレンジできる「カスタムモード」を2種類登録できるなど、最新機能を集約している。

タイヤ空気圧やバッテリー電圧、エンジン温度や油圧もモニタリング可能だ
ハンドルスイッチに備えられたコントローラーを操作することでライディングモードの設定も可能。各種の電子制御デバイスが備わっていることがわかる最新式のインフォテインメントシステムだ

で、エンジンは何が変わったの!?

混合気を燃焼室に導入し、そしてそこから燃焼ガスを排気する役割を果たす“弁”が「バルブ」。そのバルブを開閉するタイミングや開けている時間などを制御しているのが「カム」だ。従来までの空冷スポーツスターは、バルブと同じ数、つまりカムが4つあった。これに対して、ビッグツインはひとつのカムですべてのバルブを制御している。4カムは、高回転域での追従性をよりよくするために採用されたもので、空冷スポーツスターはビッグツインと同じOHVエンジンながら、高回転型のキャラクターとなっていた。しかし「OHV」という構造上、高回転とはいえ限界はあった。そこで水冷スポーツスターは「DOHC」という方式を採り入れ、飛躍的な性能アップを実現したのだ。

空冷スポーツスターはカムが4つ

4カムは、サイドバルブ時代から受け継がれてきた旧い技術だが、吸気と排気のカムを組み換えできることからレースでは有利だった。それぞれのカムタイミングを合わせることが難しいという問題もあったが、プッシュロッドの角度をまっすぐにできるため、高回転までスムーズに回せるというメリットも大きかったのだ

水冷スポーツスターはDOHCに!!

OHVよりも高回転がスムーズに回るよう、カムの動きをダイレクトにバルブに伝達するDOHCとなった。高回転域でもタイミングをずらさず安定して開閉できるシステムだが、このDOHCは現代のエンジンでは“当たり前”といえるものだが、ハーレーのエンジンとしては革新的。さらに可変バルブタイミングを採用し、低回転域から高回転域までパワフルなフィーリングを実現している

フレームはどう変わった!?

古くはイギリス車を参考に開発された「Kフレーム」、それを発展させた「CRフレーム」、そして「エボフレーム」、そして現代の「ラバーマウントフレーム」と4世代に進化してきたスポーツスターのフレームだが、最新のスポーツスターSでは、「フレームレス構造」という新たな形態へと進化している。これはエンジンをシャシーの剛性メンバーとしたもの。従来モデルよりも車体剛性を上げ、車両重量を抑えることが可能で、振動を圧倒的に抑えた新型エンジンだからこそ実現できた技術といえるだろう。

空冷スポーツスターに採用された“ラバーマウントフレーム”

それ以前の「エボフレーム」に形状そのものは似ているのものの、大幅に剛性をアップ。というのも、フレームとエンジンの間にラバー(ゴム)を介することで、不快な振動がライダーに伝わることを抑える「ラバーマウント方式」という構造上、エンジンは剛性メンバーとならない。そのため、純粋にフレーム単体での剛性が求められるのだ。また、エンジンが“揺れる”スペースを確保するため、エボフレームよりもひと回り大きく摂家されていることも特徴だ

“フレームレス構造”となった水冷スポーツスター

素材や設計の最適化によって軽量かつ高剛性に仕上げられたエンジンを強度メンバーの主役とし、フロントフレーム、ミッドフレーム、テールセクションが直接エンジンに固定された「フレームレス構造」を採用。従来のスポーツスターよりも車体重量を大幅に軽減し、これによって加速や操縦性、ブレーキ性能も向上している

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