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スポーツスターSって実際どーなん!?【その2】

先日開催された「第30回 ヨコハマ ホットロッド・カスタムショー2021」において、日本限定発売となる空冷スポーツスターの“ファイナルエディション”が発表された。これによって、今後はこの“スポーツスターS”こそが、長きに渡って続いてきたスポーツスターシリーズのスタンダードになっていくことが確定したワケだ。実は『クラブハーレー』編集部には、往年のXR1000やラバーマウントモデルを所有する者がいるほどスポーツスター好きがそろっている。そこで編集部員全員で試乗。“空冷スポーツスター好き”は、新しい水冷モデルに実際に乗って、どう感じ、どう思ったのか!?

XR1000に乗る編集部アメミヤの場合

リジッドマウントのXLH883を散々いじり倒したあと、1984年モデルのXR1000を購入。4カムの面白さにとことんハマり、XR1000で会社通勤もこなす真性のバイクオタ。マニアックな視点からスポーツスターSを斬る!?

何これ、すべてが軽い!!

まず衝撃を受けたのは、取り回した瞬間からわかる圧倒的な軽さ。街中を気ままに流すことがこれほど楽しかったとは!! 重くないから軽い気持ちでひょいっと乗りたくなるし、少しぐらい上り坂になっていても軽々と取り回せるので、街中の狭い駐輪場に止めるときだって苦労することはなさそう。そして乗れば左右のレバーはもちろん、あらゆる操作系が劇的に軽い! これは感激だ!!

◆ウインカースイッチ

◆シフトペダル

非常に軽いタッチで操作できるスポーツスターS。旧いXR1000に普段乗っていることもあって、あらゆる操作にチカラを込めているオレは、小さなウインカースイッチ(しかも左右のウインカーをひとつのスイッチで行う国産メーカー製バイクと同じ仕様)や、ちょいとつま先を動かせばギアチェンジできてしまうシフトペダルを思い切りギューギューやりすぎて、むしろ壊してしまうかと思ったほど。つまり、それほど軽い操作でOKということだ!!

小さくとも後ろがしっかり見える!!

気になっていたのが小さなバーエンドミラー。空冷モデルはとても見やすく、それがスポイルされていたらイヤだなと思ったけど、広い範囲で後方を確認できた。ただしスリ抜け派は要注意ね

タンクの上に弁当は載りません

低く構えられたタンクをニーグリップすると、タンク上部と左右の太モモの間に謎のスペースが出現。ここに弁当乗るんじゃね!? と試したところ、欲張ってサラダも購入したことで高さが増したために安定せず。弁当1個なら載るかも!? というか弁当でなくとも、ツーリングネットを使えば何かを載せられそうな感じだ

こんなに低いのにカーブでステップを擦らないとは!!

「スポーツモデルなのに、なんでフォワードステップで車高も低いんだよ~」というのが第1印象だったが、乗ってみるとアレ!? ステップを擦らない。街中で擦ることはなく、ワインディングをそれなりのペースで走って初めてステップを擦った感じだ。トラクションコントロールのスイッチするとこれを解除できるのだが、試しに切って峠道を走ったところ、頻繁ではないが擦りやすくなってしまった。もしかして、いろいろ制御されているからカーブでもステップを擦らないのかも。これ、実は結構スゴいんじゃない!?

右側の下にあるスイッチを長押しするとトラクションコントロールを解除することが可能だ

まさか雨でも楽しいなんて!!

試乗中に雨が降ってきたのでレインモードを試したところ、スロットルレスポンスが穏やかに。意識してゆっくりアクセルを開けたりなどしなくとも、バイクがそれをしてくれるので、晴れの日と同じような感覚で走ることが可能だ。ただし、おしりは真っ先に濡れる

エンジンが熱くないってマジ!?

◆パンアメリカのラジエター裏側

◆スポーツスターSのラジエター裏側

事前情報として、“パンアメリカ”は熱い!! と聞いていたので同系エンジンのスポーツスターSも当然熱いだろうと覚悟していたのだが、アレ、熱くならない!? どういうこと!? とラジエターを見比べるとファンが剥き出しのパンアメリカに対し、Sにはカバーが。ライダーに熱がこないよう考慮されているから快適なのだ

XL883改1200に乗る編集部ヌマオの場合

FXRに乗っていたが、年式が旧く故障が続いたため維持に挫折。“ラクに乗り倒せるハーレーを”と、破格の値段でラバーマウントのXL883を購入。エンジンもボアアップ済みだと鼻の穴を膨らませる、精神的痛覚のない男

見た目はぜんぜん違うけど、ちゃんとスポスタでした

普段スポスタに乗っているからか、見た目の違いはかなり感じましたね。ぜんぜん別の乗り物じゃ……って。でも、乗ってみたら圧倒的に軽いけれど、高速道路での加速感やハンドリングなどは従来のモデルに近くて、ちゃんとスポスタだなって思いました。と、ここまで書いてみましたが、正直な話よくわかっていません。でも、乗りやすいことはわかりました。個人的にはバーエンドミラーは慣れが必要だと思ったので、ここは一般的なミラーに交換したいですね。

スポスタ買う買う詐欺、編集部タカタの場合

姉妹誌『ライダースクラブ』に長く在籍していた関係で、スポーツ性能にもこだわる男。「やっぱりスポーツスターだよな~」という独り言はたまに聞くが、絶対買わないだろうと周囲はイジらないようにしている。

“スポーツ”したくなる軽快さに驚き!

スポーツスターSに乗っていちばん驚かされたのは、その軽さ。取り回しも、レバーやペダルの操作も、エンジンの吹け上りも、カーブを曲がるときの車体の挙動も、何もかもが軽い! ハーレーの特徴といえば、良くも悪くも“重厚感”。そのイメージを完全に払拭するフィーリングで、“スポーツスター”という名にふさわしい、そもそもの誕生のルーツとなったイギリス車に対抗するスポーツモデル的なスピリット、そして実際の数値でも取り戻した印象だ!!

総論:結局水冷スポーツスターは“買い”なのか!?

アメミヤ(以下、ア):今度のスポーツスターS、実際乗ってどうだった!?

タカタ(以下、タ):ぜんぶが軽い!!

ヌマオ(以下、ヌ):空冷スポーツスターと違って軽快!!

ア:オレは滅茶苦茶いいと思った。正直、第1印象はビミョ~と思っていたんだけど、実際に乗ってみると“そんなの関係ねぇ!”ってぐらい面白かったよ。

タ:今までのスポーツスターってどちらかといえば、やっぱり他メーカーのバイクに比べて重いし、“昔ながらのハーレー好き”に向けたモノだったと思うんですよ。その重さを乗り越えよう! って思える人じゃないと選ばなかったけれど、それが多くの人にわかりやすい“スポーツモデル”になったんだと思います。

ヌ:空冷モデルに乗る僕としては、その進化に驚きました。何もかも軽快だし。今の時代にスポーツスターを作れば、自然とこうなるんだろうな~って気がします!!

ア:“万人が乗りやすいモデル”に進化したのだろう。ただ、やっぱりアメリカンスポーツはフラットトラック風なのに車高が低かったりとか、見た目はもちろん“スポーツ”の概念が独特。でも、こんな変化球的なスポーツバイクを作ってくるところも含めて、“だからこそハーレーなんだ”と思ったら逆に愛おしくなった。そしてエンジンもいい。ぜんぶ新開発なのに180万円台に収めたところにも企業努力を感じるよ。

タ&ヌ:新しい水冷スポーツスター、これは“買い”ですね!!

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