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ハーレー乗りはなぜ「ヘビーオンスジーンズ」を身に着けるのか?

ハーレー乗りにピッタリの機能とスタイルを備えたジーンズ

ハーレーに乗りなれたベテランライダーは革ジャンにブーツ、そしてヘビーなジーンズをかっこよく身に着けているが、どうしてヘビーなジーンズにこだわる人が多いのだろうか。ヘビーオンスデニムのパイオニアであるアイアンハートの原木さんにその理由を聞いた。

アイアンハート代表
原木真一さん
国産ジーンズメーカーに勤務後、2003年にアイアンハートを立ち上げる。
ブランド創立時から21オンスデニム生地を使ったジーンズにこだわり続ける

「一番の理由はハーレーによく似合うからでしょうね。鉄の馬とも言われるハーレーは、ヤワなものではなくゴツくてしっかりしたものがよく似合う。そういったものはカッコよさがあると思うんです。ほかにも丈夫であるとか、風でバタつかないとか、ウォレットをポケットに突っ込んでも負けない、長持ちする、などハーレー乗りにとって魅力的な要素はあるのですが、ファッション的な魅力とは少し違って、ヘルメットやブーツと同じようにギア的な性格が強い。つまり機能美なんです」

そもそも「ヘビーオンス」って?

デニム生地の重さを表す「オンス」とは、1平方ヤード(0.84平方メートル)あたりの生地の重さを表す。一般的なジーンズに使われているのは11 ~ 15オンスほど。それに対してヘビーオンスとは21オンスや25オンスのように通常よりもはるかに重い生地のことをいう。ちなみにヘビーオンス生地は重さ以外にも厚みや丈夫さが一般的な生地よりも格段に高いという特徴もある

一般的なジーンズ VS ヘビーオンスジーンズ

では実際にどれほど違いがあるのかを比較していこう

こちらは某有名ブランドの約13オンスジーンズ
アイアンハートの定番、21オンスジーンズ

対決1 生地の質感

右がヘビーオンスジーンズ、左が一般的なジーンズだ。表面に出ているのは主に染色された経糸で、はき込んでいくと、この糸の表面が削れていき、色落ちしていくのだが、21オンスは糸の太さが太いため、はっきりしたタテ落ちとなる
こちらは生地の裏地。アイアンハートのデニムは一般的なものと違い、緯糸が双糸(2本)になっている。そのためより目が詰まり、柔らかく肌触りがよくなっているのが特徴。糸の太さが違うのもはっきりわかる

対決2 生地の厚み

畳んだ状態で厚みを比較。21オンスは生地自体に厚みがあることで、空気を多く抱え込むことができるため、暑い日は涼しく、寒い日は暖かい

対決3 生地の重さ

同サイズのジーンズの重量を比較。一般的なものは700g
21オンスジーンズの重量は1100g。なんと300gもの差があった。それだけ目が詰まり、厚みがあるということ

もしもの時も身体を守ってくれるジーンズ

生地が厚いということは、丈夫であるという特徴もある。下の写真はあるライダーが交通事故にあってしまった際に身に着けていた21オンスジーンズ。革パッチの部分にわずかに擦れがあるだけで、転倒して接地した部分も生地の損傷はない。もちろん身体もケガすることなく済んだ。アイアンハートの21オンスデニムは、厚いだけでなく柔軟性もあるため、厚みがあってもカチカチの生地よりもダメージが少ないという特徴がある。

ヘビーオンスならではの味が出る

迫力のある色落ちになるのもヘビーオンスジーンズの特徴。生地を構成してい
る糸が太いため、それだけシワができた部分が色落ちした時の濃淡がはっきりと
出るのだ。特に足の付け根部分の「ヒゲ」やヒザの裏の「ハチノス」などは特徴
的。じっくりはき込んで、味を出すのもジーンズをはく醍醐味なのだ。

新品の状態から2年はき込んだもの。はっきりとした濃淡が出るのが特徴

ハーレー乗りの正装ともいえるジーンズの頑丈さをより高め、さらに長い間はき込んで、エイジングも楽しめるヘビーオンスジーンズ。一度足を通してしまったら、もう手放せなくなってしまうはず。そんなずっとはき続けられる一本を育てていきたいものだ。

取材協力/アイアンハート

TEL042-696-3470

http://www.ironheart.jp/

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