【ソフテイル カスタム ファイル】ツインカムで旧車チョッパーの雰囲気を再現!!
車体構成がシンプルだからこそ実現できる美しさ。旧車にはそんな魅力が確かにある。しかし、電子制御化が進み、メカニズムが複雑になった現代のハーレーでそれを実現するのは難しいのだろうか!? それを巧みに実現しているのが、ここに紹介するツインカムエンジンのソフテイル(※ベース車両は2000年式FLSTFファットボーイ)だ。
カスタムの指針としたのは、「パンヘッドのチョッパー」。エイプハンガーにシンプルなリアフェンダーなど、そのディテールはまさしく昔ながらのチョッパーといえるだろう。当時モノのパーツを一部に使用したものの、基本的にはツインカム用パーツで構成し、シンプルかつバランスの取れた美しさにこだわっている。ビルダーいわく、パンヘッド御用達の当時モノパーツを多用して現代のハーレーに組む、という手法もあるが、それでは「何でパンのチョッパーに乗らないの!?」となりがち。だからこそツインカムならではのよさを引き出す方向性にこだわったという。
主に高性能な現代のパーツを使いながら、まるでパンヘッドのチョッパーの雰囲気を融合した“技あり”な一台だ。
タンクはショベルヘッド用の3.5ガロンに換装。スリムかつ丸みのある造形がヴィンテージっぽい雰囲気を醸し出している。それに合わせたタンクコンソールはツインカムのローライダー用。新旧パーツを織り交ぜつつ、ツインカム ソフテイルの車体に合わせてどちらも加工して取り付けることで、バランスの取れた美しさを実現している。
パープルのツートーンカラーに合わせた白いシート。この色使いはアメリカ黄金期のハーレー、まさにパンヘッドのオリジナルカラーを彷彿とさせる。その取り付け方法もこだわっていて、ステー類を上手く隠すことでリアまわりをスッキリさせ、シンプル極まりない旧車のチョッパー的雰囲気に仕上げている。旧車と比較してかなり大柄になった現代のハーレーでチョッパーを目指すと、タンクとリアフェンダーが間延びして見えたりなど、リアまわりの処理が実に難しいのだ。
一見するとノーマルのようにも見えるが、この車両はジョッキーシフト化されているので、これはスーサイドクラッチである。油圧化のほか、加工して一軸に作り直すなど、とても手間のかかっている部分だ。
プリモ社の“スリムライン”を使用してオープンプライマリー化。飾り気のないむき出しのプーリーとベルトが、昔ながらのチョッパーを彷彿とさせる。さらに、ジョッキーシフトのリンクを見えない位置に隠しているため、ここまでシンプルに仕上がっているのだ。
【DATA】
取材協力/105CYCLE SERVICE
TEL:075-662-3105