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【H-Dカスタム インスピレーション】#1 信頼性の高い高年式モデルで作った“ネオボバー”

ソフテイル カスタム ボバー パフォーマンスマシン 

我々のカスタム意欲を刺激してくれるのは、有名ショップの手がけた“フルカスタム”だろう。この企画では、あえてそんなフルカスタムに絞って紹介していく。内容やコストを考えれば夢のまた夢かもしれないが、カスタムのヒントを与えてくれるのは、まさにこうした究極のカスタムなのだ。

BULL ORIGINALが手掛けた【BULL BOBBER】

低く構えたコンパクトなシルエットは、まさしく正統派ボバー。しかしホイールやブレーキをはじめ、チョイスされているパーツは、希少なヴィンテージではなく、現代的なビレットパーツだ。それらを破綻させずに自然にまとめたあたりにビルダーのセンスを感じさせる。「高年式モデルは、ディテールを煮詰めるだけでカッコよくなる」と、この車両を手がけた「ブルオリジナル」の米澤さんは言う。

べース車両に選ばれているのは、1991年式の“FXSTソフテイル”。フレームはリアまわりをカットした以外に手をいれていないというが、とことんバランスを追求し、この完成度となった。1991年と聞いて「え!? ヴィンテージでしょ!?」と捉えるのは早計だ。ハーレーはこの“エボリューション”エンジンから信頼性が格段に上がり、トラブルが極端に減った。そのためハーレー界隈では、それ以前の“ショベルヘッド”と、この“エボリューション”とでは、極端にいえば旧車と現行車といっていいほど違うモノと捉えられているのである。

「いろいろ旧車をカスタムしたけれど、乗りやすくて気軽に楽しめるものでないと結局イヤになってしまうんですよ。カッコいいからと旧車を選んでも、結局乗れないからとバイクを降りてしまったらしょうがないでしょう」

ビギナーでも自然に楽しく乗れるカスタム。激しく手を加えてはいるものの、この「ブルボバー」と名づけられた車両には、そんな“間口の広さ”が込められているのだ。

1990年代後半から2000年代にかけて、「ウエストコーストチョッパーズ」率いるジェシー・ジェームスが生み出した「ネオチョッパー」。王道のチョッパー的なシルエットをビレットパーツをふんだんに使い、ワイドなリアタイヤなどで再構築した“カスタムの新潮流”は、まさに当時のカスタムシーンを牽引する存在だった。そうした中、カウンターカルチャー的に注目を集めたのが、この車両のようにコンパクトさを際立たせた「ボバー」だ。ヴィンテージとビレットパーツを巧みに盛り込みつつも、バランスよくまとめた佇まいは、まさに作り手のセンスによるものだ。

都会を走るイメージとブルオリジナルの世界観を融合したペイント。H-Dが1930年代に採用していたイーグルフライトマークを彷彿とさせるモチーフも心憎い演出だ。

味わいのあるレザーを使って、タンクコンソールからシートへとつながるようにアクセントを入れた。レザーにも造詣の深いブルオリジナルならではの作り込みだ。そこに取り付けられたメーターは、多機能なACEWELL製。デジタル表示の現代的なモノをチョイスしている。

ライザーとバーをブラックアウトしたシンプルなハンドルまわり。組み合わせたコントロール系はすべてパフォーマンスマシン(PM)製で統一している。ほどよい高さと幅のハンドルバーはワンオフで製作したものだ。

フットコントロールもパフォーマンスマシン(PM)製の削り出しに交換。フォワードコントロールながらステップが遠くなりすぎないよう、ポジションを調整したうえで車体に取り付けている。

マフラーはBUB製だが、そのまま取り付けると全体のバランスが崩れてしまうため長さを詰めたほか、エンド部分も作り直している。

リブが特徴的なプライマリーカバーはRSS製。車両製作にあたって、この部品をどうしても使いたかったという。ブラックアウトすることでリブを際立たせた。

純正を加工したフロントフォークにライトはヴィンテージフォグを使用。ホイール、ブレーキキャリパー、ディスクローターはすべてパフォーマンスマシン(PM)製だ。ホイール径は21インチをチョイスしている。

リアまわりもパフォーマンスマシン製で統一。走りやすさを考慮して幅を180サイズとし、太すぎないものを選んだ。チェーンは定評あるサンダンス×RK製だ。

旧車のようなリジッドフレームではなく、大ぶりなH-D純正のソフテイルフレームだが、車格が大きすぎる印象もない。ビレットパーツをふんだんにあしらい、都会的なイメージで仕上げている。

【DATA】

取材協力/ブルオリジナル TEL045-431-3456

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