【ヴィンテージH-D カスタム ファイル】“普通に乗れる”を目指したナックルボバー
![S&Sナックル ボバー パフォーマンス](https://clubharley.jp/wp-content/uploads/2023/11/A-1.jpg)
「ナックルヘッド」と聞けば、メカに詳しいマニアでなければ乗りこなせないというイメージをもっている方は多いことだろう。なんの不安もなく気軽に乗れるという点では、現行モデルに軍配が上がることは明白。だが、ヴィンテージハーレーがもつ味わい深い佇まいは、何にも代えがたい魅力でもある。気軽に乗れることをコンセプトに千葉県のカスタムショップ「エーシックス モーターワークス」が製作した一台が、このマシンだ。
スプリンガーフォークにニッケルメッキされたリジッドフレーム、そしてワンオフで製作したタンクやシートカウルなど、ヴィンテージのフラットトラックレーサーを彷彿とさせるスタイルから、さぞマニアックな一台なのだろうと想像してしまうが、あくまでも“普通に乗れること”がコンセプト。車両製作にあたったエーシックスの代表、田中さんは語る。
「あくまでも乗るのはお客さんですから、気軽に乗れた方が楽しいですよね。旧車には旧車のよさがることは事実ですが、この車両は旧めかしい見た目だけど、実際には“現代のバイク”として普通に乗れることを意識して作り込んでいます」
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この車両にはヴィンテージなレアパーツはほとんど使われていない。エンジンはストローカーを組み込んで排気量を1500ccにしたS&S製のナックルヘッド。これにベイカー製の5速ミッションを合わせている。さらにセルスターター装備でエンジン始動もラクラク。加えてハンドクラッチやステップをミッドコントロールとしてイージーな操縦性にもこだわっている。ヴィンテージハーレーと変わらぬルックスに現代的な性能、そして現行車から乗り換えてもすぐに馴染めるイージーライディングを実現した、まさに現代版のナックルボバーといえるだろう。
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ハイパフォーマンスなストローカーを組み込んで、パワフルな1500ccとなったS&S製ナックルヘッド。さらにベイカー製の5速ミッションによってフィーリングも現代的に仕上げられている。
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ステンレス製のエキパイにアルミ製サイレンサーを組み合わせたマフラーはワンオフで製作したもの。ナックルヘッドに現代のレーサーのようなマフラーを合わせることで個性的な印象となった。
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往年のレーサーのような形状のハンドルはエーシックスのオリジナル。トップブリッジを溶接加工して取り付けた“カニライザー”もレーシーな雰囲気に貢献。ハンドクラッチ仕様にして気軽に乗れるようにしている点にも注目!!
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この車両をいっそうレーシーな雰囲気に見せるテールカウルを備えたソロシート。ワンオフで製作したものだが、縦タックロールのシート部は「スカンク」によるもの。
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ステップはあえて現代ハーレー風、しかも扱いやすさを重視してミッドコントロールとした。S&S製とはいえ、ナックルヘッドでありながら気軽に乗ることが可能だ。
【DATA】
取材協力/エーシックス モーターワークス TEL04-7199-7341