カスタムショーの祭典「JOINTS 2025」を総ざらい!! ~ショベルヘッド編その2~

毎年春に開催される日本を代表するカスタムショー「JOINTS」。今年は4月13日に「ポートメッセ名古屋」にて行われたのだが、当日はあいにくの雨になったにも関わらず約1万人が来場した。展示される車両のレベルが高いこともあるが、いかにこのショーが注目されていることことがわかるだろう。そこで、会場に展示されていたハーレーの中でも、人気の高い「ショベルヘッド」に的を絞って紹介する企画の第2弾。

大阪は高槻市にある「グルーブワークス」による1978年モデルの「FXE」。シート下にカンチレバー式のリアショックを備えた、同店ならではのカスタム手法を採り入れつつ、スポーティなトラッカー風スタイルに仕上げている。

名古屋のアパレルブランド「ブラックパレード」の豊田氏が「4速フレーム」、「セルスターターオンリー」、「ハンドクラッチ、フットシフト」を崩さないでほしいと「ヒューモンガス カスタムサイクルス」にオーダーして完成した一台。ストレッチしたフレームにロングタイプの径39mmのナローフォーク、全体をブラックで引き締めつつも、同じブラックでも各部に違った色味の黒をあしらうことで立体的な表情を演出。ブラックパレードらしさとヒューモンガスらしさが同居する絶妙な仕上がりだ。

埼玉県は川口市にある「ブートレグ」製作のショベルは、ブラック×イエローに塗装されたエンジンと外装のフレイムスみならず、フレームにまで及ぶフレイムスでアウトローな雰囲気がムンムンに漂う一台。グリップとシートにあしらわれたフリンジもいかつい!!

「ブートレグ」によるもう一台のショベルは同じリジッドフレーム仕様ながらもモールディングやカムカバーにエングレービングを施すなどして、1960年代後期に年々装飾性が高まっていった時代のチョッパーのような雰囲気に仕上げた。

フレームやタンクに沿うようにリブを入れたモールディングで独特な世界観を体現した個性的なショベルは三重県の「ヴァーチュオーゾ」が手がけた一台。モールディングを際立たせるペイントワークもその独創性に拍車をかけている。

三重県は津市にある「ウエストヴィレッジ カスタムサイクルズ」はヴィンテージからツインカムまで幅広く手がけているが、中でも特に力を入れているのがショベルヘッド。シンプルながらも非常にバランスがよく隙のない仕上がりのチョッパーからは同店のセンスがあふれている。

こちらのショベリジも「ウエストヴィレッジ カスタムサイクルズ」による一台。ロングフォークに合わせたフォークブーツやモコモコのファーを使ったシートなど個性的かつインパクト抜群なチョッパーに仕上げられている。

上と同じ「ウエストヴィレッジ カスタムサイクルズ」によるショベルチョッパー。ストレッチ&レイクさせたリジッドフレームに合わせた超ロングフォーク、そしてリアには、フロントとは対照的にほぼ垂直にビシッと立ち上がったシッシーバー、さらにベリーショートながらも複雑な曲線を描くエキゾーストを合わせるなど、バランスの取れたスタイルもさることながら、見どころ満載の一台に仕上がっている。

京都にてオールドスクールを中心とした“FXRビルダー”として活動中の「マッディテンプル」による、本格フリスコスタイルと純正スタイルを大切にして手を入れた趣の異なる2台の「FXR」。1995年から10年間、本場ロサンゼルスのビルダーとして経験を積んだというだけあって、本場譲りのツボを抑えたパーフェクトな仕上がりだ。

石川県で四輪と二輪を扱う「ハングアウト マシンワークス」。二輪はヤマハ「SR」とハーレーを中心にメンテからカスタムまで幅広く手がける。今回は3台のショベルヘッドを展示。リジッドフレームにスプリンガーフォークを備えたこのチョッパーは、フレームと外装をクロム仕上げとしているのがポイント。ピカピカの外装に対して、エンジンのロッカーまわりをブラック仕上げとしたほか、低めのフロントフォークにハンドルはスカイハイバーを合わせるなど、メリハリあるルックスにまとめている。

同じく「ハングアウト マシンワークス」によるショベリジ。こちらはテレスコピックのロングフォークにドッグボーンライザー、そして低めのZバーを合わせてコンパクトに仕上げつつ、独特な取り回しのアップスイープマフラーで個性を主張している。

こちらも「ハングアウト マシンワークス」によるショベルヘッド。4速フレームに4インチオーバーの径35mmフロントフォーク、ショットガンスタイルのドラッグパイプにオイルタンクなど、見どころの多い一台。エイジング仕上げのペイントによる風合いもシブい雰囲気に拍車をかけている。

長いシッシーバーに沿うようにそそり立つ複雑な造形のマフラーがワイルドなロングフォークチョッパーは滋賀県の「70s.エリア」が製作。長いスプリンガーフォークなど、往年の「デンバーズチョッパーズ」を彷彿とさせる仕上がりだ。

群馬県の「フランケン カスタムワークス」製作のアーリーショベルは、鱗を思わせるタンクの立体的な造形やリアフェンダーステーの形状など、細部の作り込みからビルダーの個性がにじみ出る仕上がり。

宮城県の「ログリーズ メタルワーク」による4速フレームを生かしたフリスコ仕様。フレームやスイングアームに至るまで入れられた細かいフレイムスやパットケネディズ製のスプリットロッカーなどで気合いの入った一台だ。

愛知県の「FEW(FAR EAST WHEELS)」のショベリジは、王道のフリスコスタイルながらも、ブレーキまわりにハイテックなパーツをおごり、ハイレベルな走りも匂わせる硬派な一台。こんなショベルヘッドに憧れている人も多いハズだ。

栃木の「ル―ディック モーターサイクル」による深みのある美しいブルーが印象的なショベルチョッパー。造形にこだわったシッシーバーやタンクとオイルタンクに入れられたモールディングなどが目を引くが、小径かつシンプルながらもフロントに備えたミニドラムブレーキから、扱いやすさにもこだわっていることがわかる。

実際に乗り込んでいることを想像させる“リアルなヤレ感”が魅力的なショベルヘッドチョッパーは、埼玉県の「モーターサイクル グッディーズ」による一台。ヤレ感の中にもビビッドな色使いが独特な迫力を生み出している。

上と同じ「モーターサイクル グッディーズ」によるショベルチョッパー。こちらは4速フレームを生かして製作したもので、容量のありそうなピーナッツタンクがこのマシンならではの個性を醸し出している。走りが楽しめそうな一台だ。

福島を拠点に活動するクラブ「WILD BEAT 49 MC」のインパクト大なド派手なショベリジ。ストレッチしたフレームに超ロングなスプリンガーフォークを組み合わせた、とてつもなく大きな車格が特徴的なまさしく“漢”仕様だ。

新進気鋭の若手ビルダー「ジェリービーンズチョッパー」による唯一無二な一台。フレームから吊り下げて備えられたタンク、独特なエンド部の飾りと緩めのカーブを描くアップスイープマフラー、さらにオリジナリティあふれるホイールやオイルタンクなどの造形はまさにカスタムの真骨頂!! その独創性にあふれる仕上がりから、5つのアワードを獲得したのも納得だ。

熊本県でショベルヘッドとエボリューションをメインに味わい深いカスタムを作り出す「ローカル サイクルス」。今回展示したのは、なんとボートテールを生かしたチョッパー !! やりすぎず、やらなすぎずというさじ加減とセンスが光る一台だ。

長崎県は佐世保にある「トリップ サイクル」によるショベルヘッド。ロングなナローフォークでスリムな印象だが、超ショートタイプのマフラーやリアフェンダーで非常にコンパクトかつシンプルなシルエットを構築している。

横浜の「カクタス チョッパーガレージ」によるショベリジ。ショットガンスタイルのドラッグパイプや短いシッシーバー、フロント21、リア18インチホイールのシルエットやペイントが織りなすリアルな空気感など、すべてバランスよくまとまっているのはビルダーのセンスだろう。

上と同じ「カクタス カクタス チョッパーガレージ」の車両だが、見どころはダイヤモンドを思わせる造形のタンク。タンクの平面をホワイト×ブラックで塗り分けることで、あたかもイラストで描いたかのような不思議な質感を演出。そのほかのディテールにも徹底してこだわっていることが伝わってくる一台。

神奈川県は茅ヶ崎市の「ヒディーズ」製作の左右出しのハイパイプが目を引くショベルは、なんと「FXR」をベースにリジッド化したマニアックなチョッパー。その自然な仕上がりから、多くの人はそのすごさを見落としてしまったのでは!?

群馬県の「遠藤自動車サービス」が昨年の「ホットロッドカスタムショー」の際に製作したという渾身の一台。同店が得意とする低いシルエットを採用しつつ、各部に銅メッキ、さらにエンジンにエングレービングを施して高級感が際立つ仕上がりだ。

上と同じ「遠藤自動車サービス」による一台。1960年のパンヘッドの腰下にショベルヘッドの腰上を組み合わせた「パンショベル」で、こちらは同店が得意とするグースネック仕様のフレームに、前後のホイールには細身で大径の19インチを合わせて存在感あるシルエットを構築。こちらも各所のエングレービングで迫力ある雰囲気を演出している。

京都の「ホットチョップ スピードショップ」によるドラッグレーサー。カッパーのようなシブい色合いのフレームにチューニングを施したショベルヘッドのメカメカしさが際立つ。マフラーやシートの造形などにホットチョップならではのセンスも光る一台。

神戸の「シウン クラフトワークス」が展示した「タイムバンディット」と名づけられたドラッグレーサー。美しく塗装されたフレーム、ロッカーカバーのスポーティな造形、ホイールをはじめとした足まわりのパーツチョイスなど、質実剛健なレーサーながらも、随所にこだわりを感じさせる仕上がりはさすがだ。

福岡の「インディアンオレンジ モーターサイクル」のショベル・ドラッグレーサー。段階的に太くなるエキゾーストや大きく口を開けたエアファンネルといったレーサーらしいディテールが目を引くが、実際に走らせて何度も改修を重ねたからこその迫力が印象的。ユニークな造形のシートにもアイデアが詰まっている。

こちらはプライベーターによる4速フレームの面影が残るドラッグレーサー。軽量化のためドリルド加工を施したシートをはじめとした各パーツ群や、思い切り前傾姿勢をとったときに上半身を支えるパッドなど、レースシーンで進化を重ねたディテールがド迫力!!