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ヘルメット作りの原点にはハーレーのカスタムがあった

アメリカンヘリテイジの象徴といえるハーレーダビッドソン。日本のハーレーダビッドソンムーブメントをけん引するトレンドリーダーたちのハーレー愛をひも解くことで、「なぜハーレーじゃなきゃダメなのか」「なぜこのモデルなのか」「何にこだわるべきなのか」が見えてくる。

今回紹介するのは、リアルなエイジング加工に定評があるヘルメットメーカーの「ティーティー&カンパニー」代表の高橋広之さん。ヴィンテージのようなフォルムを見事に再現したSG規格適合のヘルメットを世に送り出すきっかけとなったのは、’90年頃からハーレーを自らカスタムする過程で目にした味のあるヴィンテージヘルメットだった。

経験と愛情があるから通に刺さるモノが作れる

インディペンデントなスタンスながら、そのデザイン性と突き詰めたクオリティで、日本を代表するヘルメットメーカーになったティーティー&カンパニー。代表を務める高橋広之さんは、ヴィンテージハーレーを扱うスペシャリティショップからこの業界に入り、紆余曲折を経て、今のヘルメットメーカーというスタンスに行き着いた。そのバイク遍歴を追うと、今のクリエーションにすべて繋がっているのだとわかる。

「最初の愛車は、友達の兄貴から譲ってもらったスズキのバンバンでした。中学生のときですが、もちろん買っています(笑)。高校を卒業して、父親の勧めもあり、英国に留学しました。そして帰国後にドイツの航空会社に就職をして、輸入関連の仕事をしていたんです。その間もずっとバイクを所有していて、カワサキやホンダなどの国産メーカーのものを好んで乗っていました。ハーレーを初めて買ったのは、’75年のFLH。たしか’90年頃だったと思います。そこからハーレーに夢中になり、プライベーターのように自分のガレージでイジるようになったんです。その頃からは輸入関連の仕事をしながら、ハーレーをカスタムしては友人や知人に売るということを始めました。当時は国内で放置されたハーレーが見つかることがあって、びっくりするくらい安く手に入ったんですよ(笑)。パーツの輸入は仕事柄得意だったので、自然と商売をする気持ちになっていました。そんなときに立ち上げメンバーの現デラクシーの高田くんと出会い、ティーティー&カンパニーを始めたんです」

カスタムショップからヘルメットメーカーへ

カスタムのベース車両を探すためにアメリカへ何度も行っていた高橋さん。その際に目にする味のあるヴィンテージヘルメットに心を奪われ、カスタムショップを営む傍らでヘルメット製作をすることとなる。そして現在、ティーティー&カンパニーは完全にヘルメットメーカーとなっている。

ヘルメットに施すリアルなエイジング加工でも定評のあるティーティー&カンパニー。こうした加工を可能にするのは、高橋さんが乗ってきた愛車の風合いや本場で見たヴィンテージハーレーのリアルな経年変化がベースになっているのかもしれない。

鉄ヘッドならではのエンジン音に魅了

’12年頃にナックルを手に入れてから、基本的に鉄ヘッドのハーレーばかりを乗り継いでいる。現在の愛車は1937年式のU。4年ほど前に購入し、2年ほどかけて整備を行った。タンクなどはオリジナルで、フェンダーなどは得意とする加工でオリジナルペイント風に仕上げているのはさすが。故障も多いが、鉄ヘッドならではの太い振動がたまらないそう。

ヴィンテージを再現し、規格も通った逸品

高橋さんは、’99年にカスタムショップとしてティーティー&カンパニーをスタート。現在はヘルメット製作のみを行い、世界中から支持されるメーカーに成長した。ヴィンテージのようなフォルムやデザインを活かしつつも、SG規格に適合するジェットヘルメット“スーパーマグナム”はブランドの主力商品。リムにレザーを使用したものや帽体やレザー部分にリアルなヴィンテージ加工を施したものまで幅広いデザインを展開する。

【DATA】
●TT&COMPANY(ティーティー&カンパニー)
TEL:03-6638-8698
URL:http://www.ttandco.com

(出典:『CLUB HARLEY 2019年5月号』

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