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いま“ちょい旧ハーレー”が狙い目な理由【ダイナ ファミリー】

ハーレーのエンジンが“ツインカム”から“ミルウォーキーエイト”に世代交代してから早くも3年が経過。もうディーラーにツインカムの新車が並ぶことはなくなったが、逆に中古車市場では見逃せない存在になっている。プライスがグッと抑えられとても買いやすい価格に落ち着いているのだ。現行モデルと肩を並べるほどのスペックを持ちながら、ヴィンテージのような気難しさもないツインカムエンジンの“ちょい旧ハーレー”。実はこれこそがいま最もアツいといえるだろう。そこで現行モデルでは手に入らない“ダイナ ファミリー”を掘り下げてみよう

現行ソフテイルとダイナの違いとは!?

2018年モデルから、従来まであった“ソフテイル”と“ダイナ”という二つのファミリーが統合し、まったく新しいファミリーとして現行ソフテイルが登場した。従来のダイナはエンジンをラバーを介してフレームに搭載する「ラバーマウントフレーム」を採用していたが、現行ソフテイルではエンジンをダイレクトに搭載する「リジッドマウントフレーム」に変更された。また、ツインショックだったリアショックがモノサスに変更されたことで、見た目もスッキリとしていることも特徴だ。だが、最も注目すべきは中古市場での価格差とタマ数の豊富さである。

現行ソフテイル(ローライダー/2018~)の場合

平均価格159.8万円(※2020年7月末・編集部調べ)

価格帯は新車よりもお買い得だが、市場のタマ数は探せば見つかるレベル。例えるなら、あの車両とこの車両、どちらにしようかと悩むほど豊富ではない。とはいえ走行距離が少ない個体が多いため、お買い得感は強い

ちょい旧モデル(FXDLダイナ ローライダー/1999~2017)の場合

平均価格115.9万円(※2020年7月末・編集部調べ)

タマ数の多さは圧倒的で、価格帯は年式が古いほどに安価になる傾向。現行ソフテイルとは見た目がまったく異なっているほか、ラバーマウントフレームによりアイドリング時にエンジンがユサユサ揺れるのも特徴だ

昔ながらのオートバイっぽいスタイル

現在、左右のリアショックがむき出しの、いわゆる昔ながらの“オートバイ”らしいシルエットのバイクは、ほかのメーカーを探しても少なくなった。それは中古市場でも同じで、“ホンダCB750four”や“カワサキZ1”に代表される1970年代のオートバイらしいスタイルのモデルはどれも価格が高騰。簡単に手を出せるモノではなくなってしまった。しかしちょい旧ハーレーの中でもダイナは、まさにそれに当てはまる。価格がまだ高騰していない、いまこそ狙い目なのだ。

FXDXダイナ スーパーグライド スポーツ

ちょい旧ダイナはどれが人気!?

実際、ダイナはいくらぐらい出せば購入できるのだろうか!? というワケで全国に販売店をもつ「バイク王」の協力のもと、2019年5月1日~2020年6月30日までに販売された台数と価格をもとに人気ランキングと平均価格を算出。他メーカーの新車に目を向ければ中型クラスであれ100万円近くすることを考えると、ちょい旧ハーレーは十分一考の価値アリなことがわかるハズだ。

1位 FXDLダイナ ローライダー(TC96)

平均価格110万8088円

名車ローライダーのアイコンである、メーターが縦にふたつ並ぶタンクコンソールが特徴。ダイナの中でも乗りやすく、足つき性もいいので女性やビギナーからも人気が高い

2位 FXDBダイナ ストリートボブ(TC96)

平均価格100万6693円

エイプハンガーやサドルタイプのシート、ショートタイプのリアフェンダーなど、チョッパー的アレンジを加えたモデル。シンプルなことからカスタムベースとしても人気が高い

3位 FXDWGダイナ ワイドグライド(TC96)

平均価格98万2417円

名車ワイドグライドを現代風にアレンジ。ロングフォークやシッシーバーなどチョッパー定番の装備を持ちながらも、ショートリアフェンダーや低めのハンドルで精悍に仕上げた

ダイナがもつポテンシャルとは!?

ダイナの走行性能の高さに魅了されたビルダーが「デビルズソース」代表の栗田さん。いわく、ツインカムエンジンが採用されて以降、TC88~96、そして103と排気量が拡大されていったワケだが、ダイナはそのパワーに耐えきれるだけの剛性と軽快に走るための工夫が随所に凝らされているという。そのためしっかりと手を入れれば、ハーレーらしからぬ(!?)ハイレベルな走りも楽しめるようになるのだ。

パワフルな走りを目指すなら、エンジンチューニングも視野に入れたいところ。ダイナはフレーム加工をせずとも大排気量エンジンを載せることができるという
ダイナはサスペンションのマウント位置の関係でバネそのものの強度が必要だという。デビルズソースでは、バネの太さがあるプログレッシブ製970をよく使用するそうだ
タイヤはグリップが安定しやすいラジアルタイヤがオススメ。履いて走ればその違いをすぐに体感できるという

流行のスピードクルーザーが作りやすい

旧車風やハイテックカスタムが作りやすいソフテイルと較べれば、ダイナはクリエイティブなカスタムがしにくいといえるが、そのぶん方向性を定めやすいともいえる。また、いま人気を集めている“スピードクルーザー”カスタムなら、基本的に走りを極める方向でカスタムを進めるため、ベース車両としてドンピシャ。見た目もカッコよく、走りも刺激的な一台を目指すならダイナはベストなのだ。

アメリカのモーターサイクルクラブでは、その走りの良さからFXRやダイナが好まれている。長野県にあるカスタムショップ「ロウズマジックマシン」による一台も、そんなシーンにインスパイアされたもので大排気量エンジンに積み替えた本気仕様だ

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