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ハーレーのFXRとダイナは何が違う!?【第2回 スペックの違い】

FXR ダイナ 違い

ハーレーのカスタムシーンで、いまだ人気の高い「スピードクルーザー」と呼ばれるスタイル。いまでこそベース車両に現行型の「ソフテイル」も選ばれるようになったが、少し前までは「FXR」や「ダイナ」が圧倒的多数を占めた。中でもFXRは、熱烈なハーレーファンからいまだ人気が高いことでも知られる。しかし、性能的にもルックス的にも進化を遂げたダイナではなく、40年も前に登場したFXRを選ぶ人が後を絶たないのは何故だろうか。逆にダイナの魅力とは!? というワケで両車の違いに迫ってみた。フレームを比較した前回に続き、今回は車格などの数値から違いを紐解いていこう。

走り屋向けの「FXR」と、多くの人を虜にした「ダイナ」

シート下に三角形のフレーム形状をもつFXRは、いわゆる「ハーレーらしさ」から遠のいたスタイルだったものの、“3点支持”のラバーマウントフレームにより、カーブで左右に振られるような挙動が少なく、スポーティな操縦性が楽しめるため、スタイリングよりむしろ走り屋志向のライダーに支持されたモデル。そのためスピードクルーザーカスタムのベース車両として、当時から親しまれてきた。

一方ダイナは、三角形のフレーム形状に馴染めないというライダーをターゲットに、スタイルを大幅に改善。ラバーマウントはFXRの3点支持から“2点支持”となり、コーナリングの安定感は若干スポイルされたものの、振動を効率よく吸収するため、エンジンをブン回してもライダーの疲労が少ない乗り心地に進化している。昔ながらのハーレーを彷彿とさせるスタイルから、走り屋のみならず多くのファンから人気を得たうえ、スピードクルーザーカスタムのベース車としても遜色ないといえるだろう。

アプローチの異なるこの2機種、実際にはどんな違いがあるのだろうか!? そこで1992年モデルの「FXRSローライダー」と、1996年モデルの「FXDLダイナ ローライダー」の2台を並べて検証してみた。

車格の違い

FXRSローライダー

FXDLローライダー

FXRに対し、ダイナのほうがホイールベースや全長が長く、加えて高さが抑えられているためにロー&ロングなシルエットが強調されていることがわかる。若干ダイナが大きいためにライダーのポジションも少しだがゆとりがある。対してFXRは着座位置が前寄りでハンドルが手前にあるぶん、気持ちコンパクトなポジションだ。※ライダーの身長は171cm

フロントフォークの長さ

FXRSローライダー

FXDLダイナ ローライダー

※編集部員による実測値のため数値には誤差があります

フロントフォークの径はどちらも同じ39mmだが、FXRのほうがキャスター角が起きていることがわかる。対してダイナはフォークが約40mm長いほか、フォークを寝かしてロー&ロングを強調

フロントまわり

FXRSローライダー

FXDLダイナ ローライダー

FXRは前後に9本スポークの旧型キャストホイールを採用。ダイナは1996年に登場した13本スポークのキャストホイール(※仕向け地の仕様によってワイヤースポークホイールも用意されていた)を装備している。また、ブレーキはダブルディスク仕様でやや豪華な印象だ

プライマリー

FXRSローライダー

FXDLダイナ ローライダー

※編集部員による実測値のため数値には誤差があります

5速ミッションを導入したFXRのプライマリーは若干短いことが特徴。これもホイールベースや全長の短さに貢献していることは間違いない。対してダイナは約50mm長くなっている。エンジン左側のボリューム感は見てわかるほどに増し、堂々としたハーレーらしいスタイルに貢献しているといえるだろう。

リアまわり

FXRSローライダー

FXDLダイナ ローライダー

※編集部員による実測値のため数値には誤差があります

両車でリアショックの全長が異なるが、本体の角度も大きく異なっている。またスイングアームの長さのほか、後輪のアクスル位置がまったく異なっていることもわかるだろう。こうした違いも、FXRのもつ軽快な操縦性や、ダイナならではの安定感に貢献していることは間違いない。

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