【ソフテイル カスタム ファイル】グラマラスなフォルムを目指した“ネオチョッパー”
昔ながらのチョッパーのシルエットを踏襲しながら、ビレットパーツやワイドタイヤをおごり、なおかつカスタムによる乗りにくさといったネガティブを排除し、しっかりと走れることに重きを置く。それこそが2000年代、アメリカを中心に流行した“ネオチョッパー”というカスタムだ。ここに紹介するのは、生まれながらにしてネオチョッパー的キャラクターが与えられた2010年モデルの“FXCWCソフテイル ロッカーC”をベースに、さらにスタイリッシュに仕上げた一台。フレームに手を加えずに、誰が見てもフルカスタムと思えるように仕上げている点にも注目。それこそが最大の見どころといってもいい。
「初めてのハーレー」ということもあって、安心して乗りたかったというオーナーは、ハーレーの正規ディーラーで新車を購入すると同時に、カスタムを依頼するプランを考え、いろいろなディーラーを探すうちに辿り着いたのが、精力的にカスタムを製作している「ハーレーダビッドソン シティ/川越店」。そこで1年の歳月をかけて製作したのがこの車両だ。もともとワイドタイヤが特徴のロッカーCをベースに、さらにリアタイヤを太く、そしてグラマラスなフォルムを目指した。チョッパーらしさを感じさせるシルエットであることはもちろん、完成した当時から10年経過した現在でも古さをまったく感じさせないパーツチョイスは流石である。
フロントフォークはハーレー純正の倒立タイプに換装。パフォーマンスマシン(※以下、PM)製のホイールデザインに合わせて、フロントフェンダーの造形も整えているという。ヘッドライトやウインカーはハイクオリティなケンズファクトリー製だ。
メーターコンソールを排除し、後方をストレッチしたボリューム感あるタンクはワンオフで製作。ゴールドリーフをあしらったフレイムスとロゴ、それ以外の部分はマットなヘビ柄としたペイントは「TMガレージ」によるものだ。
備えられたリブにドリルド加工を施すなど、見た目にもアクセントになっているハンドルはローランドサンズ製。形状が美しいマスターシリンダーと、それにフィットするハンドルスイッチはPM製。ハンドルバーにブラック仕上げを選びつつ、クロムフィニッシュのパーツを組み合わせることでコントラストを強調。センスあふれるパーツチョイスだ。
タンクのコンソールを撤去したことに伴ってメーターを移設。径49mmの小ぶりなモトガジェット製をチョイスした。1970年代の“FLH”などを彷彿とさせるデザインの文字盤でハーレー乗りからも人気のメーターだ。
ロッカーCは、本来スイングアームにリアフェンダーが装備されているが、それ故にシートとリアフェンダーに大きな隙間が生じ、好みの分かれるデザインとなっている。それを解消するためにもリアフェンダーをフレームマウントに変更。ハートランド製のキットを使用して自然にまとめている。またリアタイヤは240サイズから260へワイド化。リアのボリューム感を増して迫力あるリアまわりを実現した。
ハートランド製のリアコンバージョンキットは、リアフェンダーとフェンダーストラット、さらにシートと、すべてが同梱されているのだが、燃料タンクから流れるようなフォルムを作り出すためにあえてワンオフで製作。またシート後端に厚みをもたせることで、チョッパー的シルエットながらも無理のないライディングポジションを実現している。
ホイールとブレーキシステムはPM製をチョイス。その際フロントホイールはノーマルの19インチから21インチへと大径化。さらにはフレームマウントとしたリアフェンダーとワンオフ製作したタンクによって、チョッパーらしいシルエットを実現している。
【DATA】
取材協力/ハーレーダビッドソン シティ/川越店 TEL049-249-2280