【ソフテイル カスタム ファイル】フレームには手を付けずフルカスタム仕様に!!
1994年に創業し、絶大な人気を誇ったカスタムショップ「ウエストコーストチョッパーズ」をはじめ、多くのビルダーが珠玉のカスタムを作り上げるテレビ番組が放送されるなどで、2000年代以降に注目が集まったのが「ネオチョッパー」と呼ばれるカスタムだ。シルエットは昔ながらのチョッパーでありながら、削り出しのビレットパーツはもちろん、前後にビッグサイズのホイールをおごり、乗りやすさとは一切無縁だった昔のチョッパーとは異なり、“しっかりと走れること”を重視するというのがセオリーなのだが、大抵はフレームにまで手を加えたフルカスタムがほとんど。そこまでのカスタムともなれば、憧れは抱いても多くの人には難しいものだといえる。だが、ここに紹介する2007年モデルの“FXSTCソフテイル カスタム”がベースのネオチョッパーは、純正フレームを生かしながら雰囲気を一変させたというから驚く。最もこだわったのは見た目のバランスだ。
メインフレームはもちろんスイングアームも純正のまま、フロント23インチ、リア18インチのビッグホイールを装備。そのバランスを整えるよう、外装パーツはすべてワンオフで製作した。専用のエクステリアパーツも充実したリプレイスフレームを使うよりも手間と時間もかかるが、純正の強度はもちろん優れた操縦性はそのままなので、見た目はもちろん走りも申し分ナシというワケだ。
ボリューム感をもたせつつも、スリムなところを極限まで細く、そして高さを抑えるべくエンジンのギリギリまで低くマウントしたワンオフタンク。タンクの造形が際立つように入れられたスキャロップラインも、このマシンのポイントだろう。
「ヴィダモーターサイクル」と「ギルティレザー」によるシート。高級感ある革の質感、そして側面の編み込んだデザインがスペシャルな雰囲気を強調する。
リアまわりの低さ、そして車体のコンパクトさを際立たせているリアフェンダーはタイヤとギリギリのクリアランスで装着されているがポイント。シートとフェンダーは完全な別体式で、リアフェンダーがシートのエンドにかぶさる構造になっているため、リアショックは普通にストロークするというワケだ。
フロントにはパフォーマンスマシン製の23インチホイールを装備。サイズだけを聞くとノーマルフレームに大きすぎでは? と思ってしまうが、見事なバランスによって違和感なく装着されている。
どの角度からも立体的に見えるよう計算して製作したというマフラー。後部はリアアクスルへと向かうフレームとスイングアームのラインにそろえてられており、見た目のバランスも見事だ。
純正の存在感あるプライマリーケースはBDL製のキットでオープンプライマリー化。あえてシンプルなデザインのカバーを合わせたことで、マシン全体の造形美が際立ったといえるだろう。
【DATA】
取材協力/ヴィダモーターサイクル TEL093-223-0701