インジェクションモデルの中古車を手に入れる時知っておきたいこと【シャフト】

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中古車を手に入れたらやっておきたいこと
中古でハーレーを購入するメリットは、すでにラインアップから外れてしまっているモデルを手に入れることができたり、比較的安価に購入できたりすることだが、場合によっては納車後に不具合が生じ、しっかり乗れるようになるまでに、かなりの時間と費用がかかることも少なくない。昨今はウェブサイトでの個人売買も一般的になっているため、こうしたトラブルが起こりやすくなっている。
シャフトでは中古車を快適に乗り続けられるよう、中古車向けの点検・セッティングを行っている。
「中古車は前のオーナーがどのように乗っていたかわからない場合が多いですが、もしも不具合がある状態で乗り続けてしまうと、最悪の場合、故障してしまうこともあります。そのため、シャシーダイナモで計測し、外観ではわからないエンジン内やパーツの状態、コンピューターの書き換えの有無などを過去のデータと照らし合わせて診断すると、ほとんどの場合、その車両がどんな状態なのかがわかります。その情報をもとに対処していくというわけです」
もちろん、特に手を入れる必要がない場合もある。点検は転ばぬ先の杖的なものだが、安心して乗るためにはマストな作業なのだ。
【EFIモデルの中古車、ここが問題!】
ネットなどで販売している中古車は、エンジンやコンピューターに手を加えているかどうかは外観からは判断できない!

Q:見た目や値段だけで中古車を購入するのは危険?
A:思わぬ爆弾を抱えている可能性もありますが、正しいセッティングを施せば快調になるはず!
絶版モデルに、新車で販売されている現行車にはない魅力を感じるという人なら、自分の好みにピッタリと合う中古車があれば、それを手に入れて、愛車として長い間楽しみたいと思うはず。しかし、外観的なカスタムであればわかりやすいが、エンジン内部のモディファイやECMのチューニングなどは、目視ではどういう仕様になっているかは判別できない。とはいえ、しっかりとバイクの状況を把握して、適切なセッティングを行えば、快適に乗れる理想の相棒になるだろう。


キャブレター車なら、キャブが交換されていれば一目瞭然だが、インジェクションモデルの場合はECMの交換やフラッシュチューンなどによるセッティングとなり、外観ではどのような仕様になっているかはわからない。またエンジンの内部のモディファイも同じように目視による判別は難しい
EFIモデルの中古車あるある その1
エンジンの仕様がどうなっているかわからない
シリンダー、ピストンを交換していても外からはわかりづらい

シリンダーはフィンの形状やサイズの違いでノーマルと多少の違いがあるため交換されているか否かは判別しやすいが、ピストンのサイズや形状、純正シリンダーを使った内部の変更で排気量を変更している場合は判別不能
ノーマルカムカバーだと、カムが交換しているかどうかは判別ほぼ不可能

ハーレーの空冷Vツインエンジンはカムカバーの中にカムシャフトを備えているため、もしハイカムに交換してあっても見た目での判別は不可能。しかしシャシーダイナモを使って測定をすれば、パワー・トルクのグラフやAFRからカム特性がわかる
EFIモデルの中古車あるある その2
コンピューターの交換やチューニング済みのものが販売されている
純正ECMであってもデータが書き換えられている可能性あり

シート下などにECMを備えているモデルの場合は純正ECMかそうでないかの判別は可能。しかし、フラッシュチューン系のデバイスでデータの書き換えが行われている場合は見ただけではわからない。そのため、シャシーダイナモで計測をすると、どんな仕様になっているのかが見えてくる
フラッシュチューニング系のデバイスが付いていなければセッティング済みか判別不可能

現在さまざまなフラッシュチューニングデバイスが存在するが、これらはECM自体のデータを差し替えるため、セッティング時以外は取り外しておくこともできる。つまり車体に付属していない場合もある。付いていれば破損などしていない限り、そのまま利用して再セッティングが可能。車両購入時は確認しておきたい
フルコンは本体が交換してあるから目視が可能

ノーマルECMと交換するタイプのフルコンは、見た目的には交換されていることが明らかで対策しやすい。ただ不具合があった場合にはECMごと交換しなければならないため、コストもかなり高くなってしまう
【対策】 シャフトではシャシーダイナモを使って車両の仕様を見極める
シャフトでは同店で購入した車両でなくても中古車の点検診断を行っている。シャシーダイナモで出力や空燃比などを計測し、シャフトが有する膨大な蓄積データと照らし合わせることで車両の現状を診断できる。例えば「ECMが書き換わっているけれどデバイスがない」や「ハイカムが入っているけれど整備記録がない」といった場合でも計測によって、モディファイの有無をあぶり出し、適切なセッティングを施してもらえるのだ。



中古車のパワーチェック&燃焼診断のみの場合6万6000円。さらにセッティングをする場合は診断込みで19万8000円~(デバイス所有の場合はセッティング料金のみ)。カムや排気量アップなどエンジンがモディファイされている場合は24万2000円~となる