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【ソフテイル】ちょい旧ソフテイルをカスタム!【ローダウン】

カスタムを始めようと思ったとき、まずマフラーからという人も多いだろう。でも、全体のシルエットを考慮するなら、初めにローダウンしてしまうのもオススメ。なに? 乗り心地が悪くなるのはイヤ!? いえいえ、ローダウンを実現しつつ、走りがノーマルよりもよくなる魅力的な方法もあるのだ!!

旧型ソフテイルのリアサスは、独特な動き方をする

ソフテイルフレームとは?

そもそも「ソフテイルフレーム」とは、リアサスペンションが装備されていなかった1950年代の「リジッドフレーム」時代のハーレーのシルエットを踏襲しつつも、現代のオートバイとしての性能を確保するため、リアサスペンションを備えたフレームのこと。「ソフテイル ファミリー」の全モデルに採用されているフレームを指している。ではまずツインカム(以下、TC)のソフテイルフレームを見てみよう。フレームの後ろ部分、ちょうどトライアングル形状をしたところがスイングアームだ。TCソフテイルの場合、リアショックはスイングアームの前方、車体の下側に2本レイアウトされている。

続いてスイングアームの動き。路面からの衝撃を受けたとき、ピボット部分を軸にトライアングル形状のスイングアームは時計回転で上方向へ動く。そうすると下側に備えられたリアショックには引っ張られる力が加わる。(※いわゆる通常のバイクは押す方向の力が加わる)リアショック内のスプリングは縮む方向にセットされているが、ダンパーは逆方向に作用し、結果リアショックの全長は伸びるのだ。

従来のローダウン方法(リア)

その1 全長を伸ばして低くする

リアショックの“ロッドを長いモノに交換”するとリアショックの全長が長くなり、そのぶんだけスイングアームの角度が変わり、車高を低くできる。しかし、リアショックそのもののストローク量、そしてスプリング自体の硬さはノーマルのままなので、カーブでフレームを擦ったり、最悪の場合はスイングアームがオイルタンクとぶつかり、トラブルや事故の原因になるので注意が必要だ。

上はノーマルで、下が全長を伸ばすローダウンキットを組み込んだリアショック。キットを組み込んだことで全長が伸びていることがわかる

その2 スプリングを縮めて低くする

リアショックのユニット内にスペーサーを入れることで“スプリングを縮めて”車高を落とす方法もある。この手法ならサスの全長はノーマルと変わらないので、オイルタンクとスイングアームがぶつかることはないが、初期作動が硬くなり、乗り心地が悪くなりやすい。

オススメのローダウン(リア)

スプリング交換で車高を落とす!

トラックテック

ソフテイル用リアスプリング

問:サンダンスエンタープライズ TEL03-5450-7720 http://www.sundance.co.jp

2本あるリアショックのうち、片側にのみトラックテック製のスプリングを組み込むことで車高を落とすことができる。この方法だと、ストローク量を7~8cm確保しつつ、人がまたがっていない状態で3.5~4cmほど低くすることが可能。ちなみにノーマルのストローク量は5cmに満たないので、ローダウンを実現しつつもノーマルよりも動くサスにできる。また、交換するのは片側のみなので安価に仕上げられることも魅力だ。

左がノーマル、右がトラックテック製スプリング。トラックテックは全長が短いほか、スプリングの巻き方が不等ピッチのプログレッシブレートを採用していることがわかる。またがった瞬間は柔らかく、負荷がかかるにしたがってコシが出るセッティングだ

インナーチューブをカット(フロント)

フロントフォークに関してはインナーチューブをカットして車高を落とす。さらにスプリングにはトラックテック製のスプリングキットを使用し、ノーマルよりも性能を向上させつつ車高を落とせるといううれしいメニューだ。

上がノーマル、下が加工済みのインナーチューブだ。そもそも長いフロントフォークを採用するチョッパー風のFXSTCだけに大胆なカットが必要となったが、通常のモデルであればカットする必要はないかも
片側にレートが異なる2本のスプリングを使用(※ノーマルは1本)することで、初期作動はしなやかに、高速走行ではしっかりと踏ん張る特性を両立。ノーマルにありがちな腰砕け感がなく、フロントブレーキを積極的に使えるようになる。また、抵抗を徹底排除するためにスプリング表面もピカピカに研磨されている

トラックテック

マルチレートフォークスプリング

問:サンダンスエンタープライズ TEL03-5450-7720 http://www.sundance.co.jp

実際どれだけ低くなるの!?

全体

ビフォー

いかにもチョッパーな雰囲気のFXSTCソフテイル カスタムだが、フロントフォークが長いせいか、カーブで寝かす瞬間など、どうしても恐怖感が拭えない

アフター

ローダウン後はかなり精悍な印象に。ノーマルと違うのは見た目だけでなく、またがった瞬間から前後サスが動いていることが実感できるほどだ

リアショック

ビフォー

アフター

人がまたがっていない状態で約3.7cmほど低くなった。ライダーがまたがると5cmほどのローダウンになる。精悍な見た目はもちろん、足つき性が確実に向上するので小柄な人にもオススメのメニューだ。

フロントフォーク

ビフォー

アフター

フロントは約7.5cmほどローダウン。またがればさらに沈むので実際はそれ以上だ。チョッパー的なFXSTCソフテイル カスタムがスポーティなボバー風に仕上がった。

気になる乗り心地を編集部員がインプレッション!

シートに座った瞬間から明らかに“コシ”が出た。表現が難しいが、硬いのではなく、あくまでも適度なコシ。TCソフテイル系のサスは基本的にフワフワすぎるし、特にこのFXSTCは、リアタイヤが200mmと太いこともあってとにかく曲がらない! という印象だったけれど、この足まわりはギュッとフロントブレーキをかけて、レバーを放した瞬間にスパッと傾けて、アクセルをガンガン開けて曲がれちゃう! なんというか普通の国産バイクみたいな走りができるようになった。バンク角も意外と深く、それなりの速度で曲がっても安心感があった。カーブがぜんぜん怖くないし、見た目もカッコよくなって最高です!

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