【H-Dカスタム考察】チョッパーとは!? 第2回
ハーレーのカスタムには「ボバー」や「チョッパー」、「フリスコ」や「スピードクルーザー」など、さまざまなスタイルが存在する。我々ハーレー好きにとってはどれも馴染み深いが、バイクに興味をもって間もない人にとっては、何のことやら、ちんぷんかんぷん!? というワケで、あらためてカスタムのスタイルを解説していこう。今回は以前解説した「チョッパー」をあらためて掘り下げていくが、前回よりさらに一歩踏み込み、チョッパーといわれるさまざまなスタイルを説明しよう。
ひとこと「チョッパー」といっても、さまざまなスタイルがある。
さて前回は、ボバーから装飾性の高いチョッパーへ、そしてより派手なロングフォークスタイルへと進化していったことを解説したが、それはあくまでごく一部のチョッパーのスタイルを取り上げたにすぎない。こと細かに見ていけば、時代とともにさまざまなスタイルが生まれ、今日まで親しまれてきたのだ。それほど奥が深く、ファンの多いカテゴリーがこのチョッパーなのである。今回はその中でも代表的なモノに的を絞り、イラストとともに解説していこう。ここでの呼び名は一般的に浸透しているモノもあるが、あくまでもそれぞれのスタイルを明確にするため、編集サイドで名づけたモノであるほか、イラストに関しても、必ずしもこの仕様でなければいけない、ということではないのでご注意を。
1950年~ オールドチョッパー
1960年~ ロングフォークチョッパー
1970年~ フリスコチョッパー
1990年~ スウェディッシュスタイル
1990年~ ネオチョッパー
いまだ根強い人気の“フリスコスタイル”とは!?
「フリスコチョッパー」とは、もともとは1970年代にとあるカスタムショップが生み出したスタイルを指すもので、必ずしも「コレがそう」と断言するのは難しい。しかしその参考となるのがここに紹介する仙台にあるカスタムショップ「コズミック」が製作した一台だ。
これは1981年モデルの“FLH”をベースとしながら、パウコ製のリジッドフレームに、スポーツスターなどに採用されていたナローフォークを組み合わせることで、フリスコスタイルの基本的なシルエットを作りつつ、前後キャストホイールやブレーキなどにスポーティな装備が奢られているのが特徴。実際の性能はさておき、フリスコチョッパーは走りの性能を当時なりの手法で実現したものといえるだろう。
スタイリッシュさが魅力の“ネオチョッパー”とは!?
かつての「WCC」を彷彿とさせるスタイルながら、独自路線のチョッパーを手がけているのが東京と横浜にショップを構える「セレクテッド」だ。
長く伸ばしたフレームに、チョッパーらしいロングフォークに太いリアタイヤ、そしてパフォーマンスマシン製の足まわりが特徴だが、このスタイルを得意とする同店だけに、作り込んだ左出しマフラーを採用して個性的に仕上げるなど、バランスのよさは流石というほかない。その高級感あふれる佇まいは、先に紹介したフリスコチョッパーのような不良っぽい匂いはいっさいなく、ひたすらセレブリティな印象だ。