新しくなった“ハーレー最高峰モデル”がいよいよ日本初上陸!!
6月16日、ハーレーダビッドソン ジャパンは2023年モデルに新たに加えられた“CVOストリートグライド”と“CVOロードグライド”を日本初公開した。既に6月8日から予約販売が開始されているこの2モデルだが、今年度はルックスはもちろん、中身も大幅に刷新され、ファンの間で既に話題を集めていた。その全貌がいよいよ明らかとなったのだ。
新たなベンチマークを目指した“新型CVO”
発表会ではハーレーダビッドソンCEOのヨッヘン・ツァイツ氏(上写真・右)、そしてハーレーダビッドソン ジャパン代表取締役の野田一夫氏(上写真・左)によるプレゼンが行われた。
ツァイツ氏によれば、ハーレー社は現在「THE HARDWIRE」という5年計画を進めていて、従来のカテゴリーを再定義しつつ、革新的なモデルを含めさまざまな商品を展開(2021年にデビューした“パンアメリカ”などがその代表例)して、これまで以上に幅広い層にハーレーの魅力を訴えかけていくという。今回刷新された“CVO”も、その戦略の一環といえるだろう。
今回の新しいCVOは「ハーレーの中でも最高の、最高の一台」であるだけでなく、2輪業界のベンチマークを目指したと野田氏。
長距離を快適に走ることができるグランドツアラーとして進化を遂げてきたハーレーだけに、そのカテゴリーにおいては業界をリードしてきたことに間違いないが、最新技術をあますことなく投入し、さらなる高みを目指して開発した新型CVOは、他社製のグランドツアラーでは遠く及ばない、まさに業界のベンチマーク的存在となった。では、すべてが刷新されたCVOの気になる詳細を紹介していこう。
ところで「CVO」って何だ!?
ハーレーの楽しみのひとつに「カスタム」があげられるが、ハーレー社もそれを十分理解しており、数多くの純正カスタムパーツが用意されているのはご存じの通りだろう。それらを組み合わせ、さらにハイクォリティなハンドペイントで仕上げられる限定生産のモデルが“CVO(カスタム・ビークル・オペレーション)”だ。
上の車両は1999年に登場した“最初のCVO”で、既に絶版モデルとなっていた“FXRスーパーグライド”を復刻させつつ、各部に高級感あるパーツを盛り込み、ハンドメイドのカスタムペイントで仕上げることでプレミアムなモデルに仕上げたもの。これ以降、ベースとなる車両を変更しながら毎年リリースし続けているのだが、近年は開発されたばかりの最新パーツを投入することも珍しくない。つまりCVOとは、ハーレー社が自信をもって世に送り出す、最高峰モデルでもあるのだ。
現代における最高峰のグランドツアラー
新しくなったCVOの核をなしているのが「ビジュアル」、「ダイナミックパフォーマンス」、「テクノロジー」という3本の柱からなる変更箇所だ。
すべての曲線がアップデートされた“ビジュアル”
歴史を受け継ぎながらも新しい技術を盛り込み、機能性とデザイン性を高次元で両立したフェアリング。優れたベンチレーション効果はもちろん、LEDターンシグナルを内蔵したLEDシグネチャーライトを採用。個性的かつ未来的な表情を与えている。
容量22.7リットルのガソリンタンク。容量こそ変わらないものの、新型フェアリングの造形に合わせてエッジを立たせたデザインに変更されている。また、タンクコンソールに備えられているフューエルリッドは、エアプレーンキャップ風のデザインを採用。スポーティな表情となった。
新しくなったフェアリングやタンクに合わせてサドルバッグ形状も見直された。荷物容量も増やされている。また、シートは人間工学に基づいて設計されており、ハンドルバーやフットレスト、シートの位置関係を最適化。長時間のライディングでも快適さと疲労の軽減を実現する。
刺激的な走りを実現する“ダイナミックパフォーマンス”
エンジンはハーレー過去最大の排気量、1977ccを誇る“ミルウォーキーエイト VVT 121”を採用。可変バルブタイミング(VVT)に加え、インテーク&エキゾーストのポート形状やシリンダーヘッドの一部水冷化など各部を見直してハイパフォーマンスを実現している。昨年モデルのCVOに採用されていた“ミルウォーキーエイト117”エンジンと比較して、トルクは約8%、馬力は9.5%向上。VVTによってパワーバンドを広げ、トルクマネジメント効率を高めることで燃費も3~5%向上している。
高性能なSHOWA製のサスペンションを採用。フロントは倒立フォーク、リアは昨年モデルと比較してトラベル量が50%増加。ブレーキはブレンボ製のラジアルマウントキャリパーを採用するなど、卓越したブレーキフィーリングを実現した。
ライダーをサポートする最新の“テクノロジー”
新しい“Skyline”OSを搭載したインフォテインメント・テクノロジーを導入。AppleおよびAndroidに対応した12.3インチのTFTカラータッチスクリーンは、いろいろなディスプレイが選択可能。アナログメーターは存在せず、計器類はすべてスクリーン上に映し出される仕組みだ。ハンドルに備えたコントロールスイッチのほか、タッチパネルやボイスコマンドにも対応。操作性に優れていることも特徴。ロード、スポーツ、レインのほか、2種類のカスタムモードを選択できるトラクションコントロールも備えた、最新のテクノロジーも搭載している。
CVOストリートグライド
549万7800円(写真)、621万2800円(ウイスキーニート/レイヴンメタリック)
CVOロードグライド
549万7800円(写真)、621万2800円(ウイスキーニート/レイヴンメタリック)
風洞実験を重ね、試行錯誤して生み出されたこれまでのデザインを受け継ぎつつも、すべてを再考。フロントフェンダーから後方のサドルバッグまで、シームレスで流れるようなフォルムに仕上げ、より洗練されたデザインを構築した。また昨年モデルより約20kg軽量化されるなど、すべてが向上。このCVOは、まさに新時代を見据えた新しいハーレーといえるだろう。