1. HOME
  2. コラム
  3. ニューモデル
  4. バイク
  5. “ナイトスター”と“スポーツスターS”、何がどれだけ違う!?

“ナイトスター”と“スポーツスターS”、何がどれだけ違う!?

先に登場した「スポーツスターS」はもちろん、新たに「ナイトスター」がデビューし、いま最も注目を集めている“水冷スポーツスター”。だが、この2機種にはどんな違いがあるのだろう!? というワケで、さまざまな視点から両車を比較。そこから導き出された真のキャラクター像とは!?

アプローチの異なる2つのスポーツ性

先日デビューした「ナイトスター」が新たにラインアップに加わったことで、従来の「スポーツスターS」に加え、2機種となった“新生スポーツスター”。そのスタイリングから、【スポーツ志向のライダーはS】を、【雰囲気を楽しむならナイトスター】を、というように購買層がハッキリと分類されたことがわかるハズだ。

しかし両車に乗ってみるとわかるのだが、ナイトスターは決して見た目だけを重視したモデルではない。どちらも従来のハーレー、ひいてはスポーツスターにはなかった“スポーツ性”を感じられるモデルに仕上がっているのだ。だからこそ、両車のキャラクターの違いをハッキリとさせようじゃないか。

スポーツスターS スタイリング
SPORTSTER S 価格194万8100円~

Sに搭載された排気量の大きなエンジンや、前後に太いタイヤを装備し、低く構えたスタイルは明らかにドラッグレースの雰囲気を意識したもの。いうなれば【ホットロッド的スポーツ】である。

ナイトスター スタイリング
NIGHTSTER 価格188万8700円~

対してナイトスターは、山道を軽快に、そして誰もがエンジンを回して走る楽しさが味わえるように調整され、【思うがままに操れるスポーツ】を追求したモデルだ。

つまり、この2機種はそれぞれに趣向が異なったスポーツ性が与えられているというワケ。どちらを選ぶかは貴兄の好み次第だ。

排気量や電子制御デバイスの違い

当然といえば当然なのだが、277ccの排気量差があるナイトスターとSとでは、パワー感がまったく違う。とはいえ、ナイトスターがもの足りないかといえば、そうは感じにくいハズ。というのも、Sはスポーツバイクの加速に慣れた人でなければ「怖い」と感じてしまうほどパワフルなのだが、ナイトスターは誰もがアクセルを開けることが楽しいように調整されている。といっても遅いワケではなく、3500回転以上回せば、かつての空冷スポーツスターとは比較にならないほど速いのだ。また電子制御デバイスが充実しているSに対し、必要最低限のナイトスターだが、シンプルがゆえの扱いやすさがあることも事実だろう。

SPORTSTER S

スポーツスターS エンジン レボリューションマックス1250T

■排気量:1252cc ■ボア×ストローク:105mm×72.3mm ■圧縮比:12:1 ■最大トルク:125Nm/6500rpm ■最大出力:121HP/7500rpm

スポーツスターS メーター

5種類の走行モード:【スポーツ】【ロード】【レイン】【カスタムモードA】【カスタムモードB】

※カスタムモードとは、エンジンブレーキの利き方やスロットル開度に対する前進性などを自分好みに細かく設定できるモードのこと

NIGHTSTER

ナイトスター エンジン レボリューションマックス975T

■排気量:975cc ■ボア×ストローク:97mm×66mm ■圧縮比:12:1 ■最大トルク:95Nm/5750rpm ■最大出力:89HP/7500rpm

ナイトスター メーター

3種類の走行モード:【スポーツ】【ロード】【レイン】

チカラの差はあれど、そちらも速い!!

スポーツスターS 高速クルーズ
ナイトスター 高速クルーズ

どちらのモデルも低回転はマイルドに調整されているのだが、最も違いが出るのはアクセルをガバッと開けた瞬間のパワー感。特に高速道路の追い越し加速時など、チカラの差は顕著になるが、両車とも空冷スポーツスターに比べれば圧倒的に速いということは付け加えておこう。

車格や装備から読み取れる違い

SPORTSTER S

スポーツスターS サイズ
スポーツスターS リアサス

車両重量:228kg リアショックにはモノサスを採用

NIGHTSTER

ナイトスター サイズ
ナイトスター リアサス

車両重量:221kg リアショックには2本サスを採用

車体の数値を比較すると全長が長く、車重が重いのはS。しかしその差はごくわずかでライダーが実際に乗ってそれを体感することはまずないだろう。

また、ホイールベースの数値がわずかに長く、リアショックを2本装備するナイトスターが曲がりにくいかといえば、そんなこともない。レースで使用したり、プロのライダーが乗るならまだしも、我々普通のライダーが一般道を走る限り、両車の違いはまずわからないレベルだ。

体感できるとすれば、最低地上高と前輪のタイヤサイズの違い。カーブでは若干だがSのほうがステップを擦りやすく、タイヤが太いぶん車体が傾くスピードも穏やかだ。

ライディングポジションの違い

SPORTSTER S

スポーツスターS ポジション
スポーツスターS 足つき
765mmのシート高、そして高い位置にあるマフラーで足つき性が多少スポイルされるが、車重も軽いので不安はないレベル。ハンドルやステップも見た目ほど遠くないので姿勢にも無理はない。多少遠いと感じるなら、なるべく着座位置を前寄りに座れば問題ないだろう。※ライダー身長171cm

NIGHTSTER

ナイトスター ポジション
ナイトスター 足つき
705mmのシート高によって、抜群の足つき性を実現。ステップ位置は普通だが、ハンドルが遠いぶんだけ前傾がキツく、姿勢でいえばSよりもこちらのほうがスポーティだ。だがSと同じく前寄りに座るようにすると、さほどキツさは感じない。※ライダー身長171cm

フォワードタイプのステップを採用するSに対し、ミッドコントロールを備えているナイトスターは、一見すると乗りやすそうだが、ドラッグバー風のハンドルによって前傾姿勢は若干キツめ。そのため、平均的な体格のライダーであれ、ポジションはどちらも一長一短アリといったところだ。また、Sはナイトスターよりもシート高が60mm高いので注意すべし。

トレール量の違い

SPORTSTER S

スポーツスターS トレール量

NIGHTSTER

ナイトスター トレール量

両車のトレール量が大きく異なっている点に注目。トレールとは、フレームネック部の中心線が地面と交わる点から、前輪の接地点までの距離のことで、この量が多いほど直進安定性が高まり、逆に少ないほど操縦性がクイックになる。

つまり、ナイトスターは軽快でSは直進安定性が強いということ。加えてフロントタイヤが160mmとワイドなSに対し、110mmと細いナイトスターは、より軽快感が強調されていると読み取れるワケだ。これもこの2機種がもつスポーツ性のアプローチの違いを物語っているといえるだろう。

実際、どっちがよく曲がるの!?

乗り比べるとわかるが、どちらも空冷モデルと比べると非常によく曲がる。あえてこの2台を比べると、スポーティな操縦性なのは、意外にも(!?)ナイトスターだ。ミッドコントロールによる一体感の強いライディングポジション、そして細い前輪によって山道をヒラヒラと楽しむことができる。対してSはリーンする瞬間、フロントに粘りを感じる乗り味だ。だが太いタイヤにしては軽快で、あくまでもこの2機種を乗り比べたときの印象であることは付け加えておこう。

SPORTSTER S

スポーツスターS コーナリング
シートにそのまま座ってしまうと車体が傾くスピードは遅いが、なるべくシート前方に着座してライディングすると、フォワードタイプのステップも近づくうえに操縦性も軽快になる。とはいえクイックすぎることはなく、万人に乗りやすい特性といえるだろう

NIGHTSTER

ナイトスター コーナリング
ドラッグバー風のハンドルは腕にチカラが入りやすいので注意。Sと同じく、こちらもなるべくシート前方に座ると腕に余裕ができ、乗りやすくなる。また、ミッドコントロールのステップが織りなすポジションも絶妙でリーンするスピードも素早く、山道をキビキビと走ることが可能だ

関連記事

NEW

2月号
Vol.283

カッコいいガレージの実例集!!「ハーレー乗りの秘密基地」

1月13日発売

新着記事

オススメ記事

ランキング