鉄馬乗り的 銘品図鑑 Schott「613UST ONESTAR TALL」
世には銘品と呼ばれる優れたプロダクトが、数多く存在している。そんなマスターピースを鉄馬乗りの目線でピックアップ。ハーレーライフをより充実させてくれる相棒になってくれることだろう。今回はSchottの「613UST ONESTAR TALL」をご紹介。
問い合わせ/ Schott Grand Store TOKYO
TEL03-3464-1913
https://schott-nyc.jp
613UST ONESTAR TALL
14万8500円
ショットのフラッグシップモデルであるワンスター。当作はそんな名作のデザインやルーツを受け継ぎながらも、トールバージョンで再構築。着丈が短くて肩幅が大きいというアジア人とは相性の悪かったシルエットをうまく現代的にリファインしている。レザーはタフでエイジングも楽しめるステアハイドを使用している
ファッション史に残る大定番のライダース
今やハーレー乗りの定番となったライダースジャケットにジーンズ、そしてエンジニアブーツを合わせるスタイルは、’50年代のアメリカで確立された。そのきっかけとなったのが、1953 年に公開されたマーロン・ブランド主演のバイカー映画の名作『乱暴者』。劇中でマーロン・ブランド演じるジョニーが率いるバイカーチームは、背中にチームロゴを入れたライダースに身を包んでいた。その強烈なインパクトは世界中のバイク乗りに大きな影響を与え、イギリスではロッカーズカルチャーが生まれるなど、モーターサイクルカルチャーでは欠かせない存在となった。
そんなアメリカのバイク乗りにとって永遠のスタンダードとなっているライダースジャケットが、ショットのワンスターである。
ショットは1913年にニューヨークで、アーヴィン・ショットとジャック・ショットの兄弟により設立された。
1928年からフロントにジッパーを用いた画期的なレザージャケットである“パーフェクト”シリーズを展開し、そして’50年代にはエポレットに星型のスタッズを配したフラッグシップモデルであるワンスターを発売。その基本的なデザインは今も変わっておらず、いかに完成されたデザインであるかということをその実績が証明している。具体的に言えば、アイコンとなっている星型のスタッズを配したエポレットやアクションプリーツ、ウエストベルト、ソデのジッパー、機能的に配されたジッパー付きポケットなど、すべてのディテールがバイク乗りのために設計されており、その機能美溢れるデザインは、今の時代もまったく色褪せていない。
今作は、定番のステアハイドを使っており、そのヘビーデューティな作りもアメリカンライダースを象徴している。発売当初はホースハイドも存在したことから、馬革バージョンも展開しているため、よりクラシックさが欲しいならこちらもチェックしておきたい。
もちろん定番が定番であり続けることは、並大抵のことではない。そこには大きな理由がある。例え
ばリーバイスの501。5ポケットデニムパンツという根底こそ変わっていないが、いつの時代もユーザーから求められる声や時代の流れを落とし込み、マイナーチェンジを繰り返した。実はショットも同様で、この613USTワンスタートールは、当時のディテールは忠実に踏襲しながらも、肩幅を細くし、着丈を長めにすることで、現代的なフィッティングに仕上げている。
いつの時代もスタイリッシュで、人々の憧れであること。ワンスターは、そんなファッション史に残
る名作であり、一度はワードローブに加えたい、ハーレー乗り必須のアイテムだと言っても過言ではないのだ。
アイコンとなる星型スタッズ
ワンスターのネーミングの由来となったのが、エポレット部分に打ち込まれた星型のスタッズ。これによってひと目でワンスターだと認識することができる。ブランドを飛び越え、アメリカンライダースの象徴でもある
Made in USA
フラッグシップモデルであるワンスターは、今もアメリカの自社ファクトリーにて生産されている。現存するメイドインUSAのライダースジャケットは数えるほどしかなく、その旧きよき時代のクラフトマンシップを体現
アクションプリーツ
アメリカンライダースの象徴でもあるアクションプリーツは、肩の可動域を広げるためのディテール。伸縮性のないレザーでも運動性を確保している。ワークやミリタリーでも採用されている意匠でもあるのだ
固定型のウエストベルト
クラシックな八角形のバックルを用いたウエストベルト。裾からの風を侵入を防いでくれることに加えて、デザインのアクセントにもなっている。ハーレーのポジションとも相性がよく、アメリカの特徴的なディテールだ