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【H-Dカフェレーサー ファイル】#4 チョッパー的手法を盛り込んだニュースクールカフェ

ハーレー スポーツスター カフェレーサー AVONカウル

クリップオンハンドルにシングルシート。そんなカフェレーサースタイルのカスタムを好む人は多いが、スポーティな国産車やヨーロッパ車をベースにするにではなく、アメリカ大陸という特異な環境に合わせて進化してきたクルーザーであるハーレーダビッドソンをわざわざ選び、カスタムして作りあげようなんて考える輩は明らかにクセ強めといえるだろう。そんな好きモノたちが、あくなき探求心とこだわりで製作したカフェレーサーにスポットを当てていくのが、この企画である。今回はチョッパーを得意とするカスタムショップが製作した、アメリカンテイストあふれるカフェレーサーを紹介しよう。

#4 チョッパー的手法を盛り込んだ、ニュースクールカフェ

1989年モデルのXLH883をベースにストーツ製の外装キット、そしてAVONカウルを使ってカフェレーサーに仕上げられた一台。足まわりにあえてハーレーカスタムの定番といえるビレットホイールを組み合わせることで個性的に仕上げている

「ベロセット」や「リックマン」などに採用された、いかにもヨーロッパ車っぽい“AVONカウル”を取り付けるのであれば、足まわりはクラシカルなHリムのスポークホイールを合わせたいと考えるのがいわゆる“普通のカフェレーサー好き”だろう。この車両はそうはせず、あえてアルミ削り出しのニュースクールなホイールを組み合わせた。その確信犯的な“ハズしのテクニック”は、長年に渡ってチョッパーを作り続ける「シウン クラフトワークス」の代表、松村友章さんならではのセンスの賜物といえるだろう。この車両が誕生した背景には、松村さん自身が、こんな一台を作ってみたいと描いたイラストにあった。

「そのときは、もっと過激なWCC(ウエストコースト チョッパーズ)製のコウモリの羽根みたいなデザインのホイールを付けようと考えていたんです(笑)。でも、そのイラストを見たお客さんに、コレを実際に作ってほしいと頼まれ、いろいろ相談するうちに、このホイールに落ち着きました」

とはいえ、ビレットホイールを取り付けたとしても、それを“ごく自然に見せる”のは難しいハズだ。

「車体を大きく見せることに気を使いました。ヨーロッパ車はスラッとして見えるんですけど、それに比べてスポーツスターはスイングアームが極端に短い。その辺りを考えながら製作しています」

具体的には1989年モデルの“XLH883スポーツスター883”をベースにスイングアームをロング化し、ホイールサイズをフロント21インチ、リア18インチとすることでヨーロッパ車のような、スラリとしたシルエットを与えた。ルックス重視のカスタムかと思いきや、走らせてみても楽しいハンドリングに仕上がっているという。そんな話を聞くと、乗ってみたい衝動に駆られてしまうじゃないか!!

ロケットカウルには、ベロセットやリックマンといった往年のモデルに採用されていたAVON製カウルのレプリカ品を使用。ヘッドライト先方にセットされたバブル状のシールドが最大の特徴だ
ストーツ製のアルミタンクに換装。スポーツスターでカフェレーサーを製作するなら定番といえるものだ
シート&シートカウルもストーツ製を採用。いわゆる往年のH-D社のファクトリーレーサーが採用していた、後方に向かってまっすぐに落ちるような独特なシルエットが特徴。AVONカウルにストーツ製の外装を合わせることで、単なるヨーロッパ調のカフェレーサーではない、アメリカンカフェであることを主張している
ハンドルはセパレートタイプ。トリプルツリーは純正を使用しつつ、メーターを低くマウントすることでスポーティな印象に仕上げた
エンジンはワイセコ製ピストンを用いて1200cc化。アンドリュース製カムをおごって気持ちよく回せる仕様した。キャブレターにはFCRをチョイスしてパワフルに仕上げられている
マフラーはワンオフで製作したハイパイプ。後方に向かって微妙に斜めにカチ上がったシルエット、そしてエンドをスラッシュカットとするなど、チョッパー的エッセンスを採り入れているのが興味深い。マグネシウム風にペイントされたエンジンもマニアックだ
ホイールはローランドサンズ デザイン(RSD)製。スポーツスターを大きく見せるために21インチをセレクトした。ブラック×ポリッシュのコントラストカットが、黒で統一した全体の雰囲気の中でアクセントになっている
リアタイヤのワイド化と全体を大きく見せるためにスイングアームはW&W製の4cmロングを採用18×5.5のホイールには180サイズのリアタイヤを組み合わせている

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